阪神・才木 感謝と覚悟の支配下契約!苦難乗り越え再起への一歩 背番号は再び「35」

 阪神は4日、育成の才木浩人投手(23)と支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は121から育成になる以前に背負った「35」を再びつける。高卒2年目に6勝を挙げながら、その後に右肘を痛めて20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた右腕。1年以上にわたるリハビリを乗り越えたホープが、再スタートを切る。

 やっと、やっと才木が帰ってきた!支配下選手契約を終え、会見場に現れた右腕の表情は、喜びとともに覚悟がにじみ出ていた。「もしかしたら1軍で使えるかもっていうことだと思うので、そういう判断を球団にしてもらえたというのは、自分の中ではうれしかったです」。ここからが勝負。それでも、まず一つ目標をかなえた。

 真っ先に口にしたのは、支えてくれた人たちへの感謝の言葉。トレーナー、理学療法士の方など周りの助けがあり、支配下に返り咲いた。「いろいろな人に応援してもらったりで、(リハビリ生活を)なんとか乗り越えることができた」。母・久子さんに報告すると、「これからがスタートだから」とエールをもらった。「(支えてもらった人たちと)やってきたことを表に出すのが自分の仕事」。全力で腕を振る姿が、最高の恩返しだ。

 背番号「35」。やっぱり、この番号が一番似合う。18年5月27日の巨人戦で6回を2安打無失点に抑え、プロ初勝利を挙げた時の、あの背中。「『35』をつけて、甲子園のマウンドで投げている姿をたくさんの方に見てもらいたい」。あの大歓声を励みに、苦難を乗り越えてきた。

 23歳の野球少年にとって、満足に野球ができない日々がどれほどつらかったか…。ドアノブを握ると痛む右肘。なにげなく行う投げる動作も痛みの確認になっていった。術後は寝る時に壮絶な痛みが襲うことも。それでも、先が見えない日々を懸命に過ごした。

 思うように野球ができない日々を乗り越え、「メンタルはたぶん強くなりました。マウンドでもその姿は出るんじゃないかな」と成長を実感する。復帰後のウエスタンではここまで5試合に登板。1日のソフトバンク戦(筑後)では、先発で5回1/3を3安打2失点(自責0)に抑える好投を見せ、支配下を勝ち取った。

 阪神入団時から、母校の兵庫・須磨翔風高のグラウンドに飾られている「才木浩人」と記された黄色の横断幕。もう色あせて、白色になった。「けがの時期はすごく長かったので。プロ野球選手としてプレーでしっかり恩返ししたい」。才木浩人の第2章はここから始まる。

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