【藤田平氏の眼】阪神は打順をいじるな なぜ中野5番…タイプじゃないし打線が分断
「阪神0-3ヤクルト」(4日、甲子園球場)
三回までが勝負のポイントになったね。阪神は3イニングとも先頭打者が出塁しながら仕掛けが遅れている。これが神宮でも打ちあぐねた石川を五回まで引っ張る原因にもなった。
特に初回の無死二塁では強攻策が裏目に出たが、あそこは送りバントを使うべきだった。前日も点を取れていないのだから、先取点奪取を最優先する攻撃をしてほしかった。
ベンチは動くべきところで動いていない。しかし、動かなくていいところで動いている。それは打順の組み替えだ。なぜ2番の中野を5番にしたのか。近本から中野、そして佐藤輝につながるオーダーを崩す必要があるのか。
点が欲しい気持ちは分かるが、これでは打線が分断された状態になる。2番に入った山本の調子も悪くはないが、レギュラーの中野とは違う。当たっている中野は動かさない方がいいし、しかも5番タイプではないだろう。
基本的にレギュラー選手はできるだけ固定するのが望ましい。打順だけではなく、ポジションに関しても同様だ。
一塁・大山、三塁・佐藤輝の形で決まりかけているなと思ったときもあったが、また佐藤輝が内外野を行ったり来たり。こういった落ち着きのなさは選手にも伝わるもの。そうなるとゲーム自体も落ち着きを失う。
苦しいときはあるだろうが、辛抱というものもまた必要。現状を見る限り“やり過ぎ”“動き過ぎ”という感じがしてならない。