阪神 通算320勝右腕、小山正明氏から古巣への愛あるゲキ「意識の統一、戦略の徹底を」

青柳は矢野監督と笑顔でタッチする(撮影・山口登)
4回、左飛に倒れる糸原(撮影・飯室逸平)
4回巨人無死一、二塁、併殺打に打ち取られる丸。一塁手は大山(撮影・飯室逸平)
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 「阪神4-1巨人」(15日、甲子園球場)

 歴代3位の通算320勝を挙げ、「針の穴を通すコントロール」と称されたデイリースポーツ評論家の小山正明氏(87)が甲子園球場で行われた阪神-巨人戦を解説。引き分けを挟んだ連敗を「6」で止めた古巣に愛のあるゲキを飛ばした。

  ◇  ◇

 ようやく2勝目か。この白星は青柳の好投に尽きる。初回こそ今季初登板の緊張感からかボールが高めに浮いてたけど、回を追うごとにボールを低めに集めることができた。

 大きかったのは四回無死一、二塁の場面で、丸を二ゴロ併殺に抑えた場面。連打で招いたピンチで、しかも甘い球だったけど、結果として丸の打ち損じに助けられ、続くウィーラーを空振り三振に仕留めたことで、流れができた。

 低く、遠く。投手が打たれないために基本とすることができていた。まさにお手本と呼んでも過言ではない投球だった。惜しいのは、8回でマウンドを降りたこと。95球。土曜日、日曜日も接戦になれば、岩崎が3連投になる可能性もあるだけに、今季初登板とはいえ、完投させてほしかった。

 攻撃陣は佐藤輝とロハスの2ランで逆転勝ちを収めたけれど、今後を見据えれば課題が多い。まずはミスショットの多さ。初回2死満塁で二飛に倒れた糸原。逆転本塁打を打った佐藤輝の打席でも、仕留めなければならない球をファウルにしていた。ファウルにしたことを「惜しい」と受け止めるのではなく、「ミス」と受け止めてほしい。

 次にストライクとボールの見極めが悪い。四回無死一、二塁での糸原。バントの構えからストライクを見送った後、高めのボール球に手を出して左飛。走者を進めることすらできなかった。続く梅野も追い込まれてもいないカウント1-1から低めの変化球にバットを出し、しかも中途半端なスイングで投ゴロ併殺打。打席内での狙い、意識を感じ取ることができなかった。

 ここに挙げた選手だけでなく、チーム全体として相手投手をどのように攻略していこうかという作戦、読みが見て取れない。今後の浮上を見据えると、意識の統一、戦略の徹底を図る必要があると思う。

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