阪神・佐藤輝 うっぷん晴らす豪快1号 自身初の満員甲子園で闘志!連敗ストップ立役者に

 1回、1号2ランを放ち、手を上げてダイヤモンドを回る佐藤輝(撮影・飯室逸平)
 1回、大観衆で埋まった甲子園で1号2ランを放つ佐藤輝
 お立ち台で西勇(右)とポーズを決める佐藤輝
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 「阪神4-0DeNA」(5日、甲子園球場)

 や~っと六甲おろしが歌えたで!阪神が今季の甲子園初戦で、待望の今季初勝利を挙げた。佐藤輝明内野手(23)が1-0の初回に右翼席へ1号2ランを放ち、9連敗を止める立役者となった。4番の活躍で、3万7408人が詰め掛けて3年ぶりに大入りとなったスタンドは大盛り上がり。ファンの力強い後押しに乗って、ここから巻き返すで!!

 開幕から10試合目。苦しみ、もがいて初勝利をつかんだ。佐藤輝は試合終了直後に感情が爆発。満面に笑みを浮かべ、二塁付近で無邪気に外野陣と喜びを分かち合った。

 「いやもう、めちゃくちゃうれしいです」。足取りも軽い。声も弾む。「いや、もう間違いなく。特別な一日ですね」。2年目で開幕4番を任された主砲にとって忘れられない勝利となった。

 9連敗を止める立役者だった。初回に1点を先制し、なお1死一塁。ロメロの内角148キロを振り抜き、右翼へ大飛球を放った。勝利を渇望する主砲は全力疾走で打球の行方を追った。

 「本当にギリギリだったので一生懸命走りました」。打球がフェンスを越えると右手を突き上げ、一走・糸井に追い付きそうな勢いで生還。40打席目で生まれた1号2ランは、昨年6月20日・巨人戦以来の甲子園弾。ベンチ前では、声を上げながら一人一人とハイタッチを繰り返した。

 生還後には糸井と両手で「オーケーマーク」を作り、互いに上を向いた。糸井と話をして、パドレスのタティス・ジュニアとマニー・マチャドのコンビをまねた新パフォーマンスも披露した。

 チームは開幕から9連敗。プロ2年目で初めて経験する長い“トンネル”だった。だが、4番として気持ちだけは強く持ち続けた。

 「なかなかうまくいかないチームとしてはという中で、でも下を向かずにやってきた」

 冷静に自分の状態もチェックした。試合前練習では遠征に同行していなかった藤井康1、2軍巡回打撃コーチとミートポイントを微調整。やや前に置き、結果につなげた。

 プロ入り後、満員の甲子園でプレーするのは初めてだった。お立ち台では大観衆へ「最高です!」と声を弾ませた。今季初の甲子園で再確認したファンの後押しが、佐藤の気持ちをさらに前向きにする。「これをきっかけにしてやるしかないので。(坂本)誠志郎さんとか、なんか泣きそうな感じだったので(笑い)。明日からもっと勝っていって巻き返したい」。若き4番が大逆襲へけん引する。

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