阪神・矢野監督 開幕投手は競争 2冠右腕高評価も青柳決定に待った「絶対的エースいない」
阪神の矢野燿大監督(53)が9日、ABCテレビの「おはよう朝日です」に生出演し、来季の開幕投手について言及した。今季リーグ最多勝&最高勝率の2冠に輝いた青柳を「近いところにいるのは間違いない」としながらも決定は先送りに。出演後の取材対応でも「絶対的なエースはうちには、まだいない」と、あえて競争をあおる方針を明かした。
あえて“待った”をかけた。1日に生出演した同じ番組内で青柳が「今年も狙っていた。監督には『僕がいきます』と言っている」と画面越しの猛アピールで来季の開幕投手に立候補。しかし矢野監督のアンサーは「まだ決めてないですよ。ヤギ、もうちょっと待っといて!」だった。
一年ごとに成長を遂げる変則右腕は今季、目標とする13勝を挙げて最多勝をゲット。さらに最高勝率も手にしてリーグ2冠に輝いた。それだけに指揮官は「ヤギが一番近いところにいるのは間違いない」と認める。
それでも決定を先送りするのには理由がある。「絶対的なエースというか、現状そういう感じ(の投手)は、まだうちにはいないと思うんでね。もちろん今までの実績は考えながら、またそこを競争することで、投手陣全体がレベルアップしていけるところもある」。あえてキャンプ中盤まで決定を先送りすることで、おのおのの競争意識だけでなく、さらなる技術、状態を高めさせるのが狙いだ。
2020年は「西しかおらんやろ」と西勇の開幕投手を早い段階で明言した。そして今季も西勇が本命視されていたが、ぜんそく症状の悪化で、まさかの春季キャンプ離脱。最終的に「“華”も総合的な判断のひとつ。キャンプでの姿勢、ボールを見ても開幕を任せたい」と前年1勝の藤浪を大抜てきした。
今季も前半戦から苦しんだ西勇を後半戦の開幕投手に指名するなど信頼は厚く、「エースは西」と言い続けてきた。6勝9敗に終わったその“エース”の逆襲を待ちたい思いも矢野監督の中にあるのかもしれない。
さらにセ・リーグで唯一、2年連続2桁勝利を挙げた秋山にも「背番号も変わるし、開幕投手争いに入ってくるような状態にしてくれるのは大歓迎」と大きな期待を寄せる。
新助っ人ウィルカーソンも加わり、及川、アルカンタラも先発調整でスタート。開幕投手だけでなく、開幕ローテ争いも激化する。「もうちょっと俺も楽しみにしていきたい」と矢野監督。競争を勝ち抜き、大役を射止めるのは誰だ-。
関連ニュース




