阪神 満塁“無得点地獄”7人連続凡退 今季9度目の零敗 ヤクルト、巨人と2・5差

 8回、満塁の好機で空振り三振に倒れたサンズ
 ベンチで厳しい表情の矢野監督
 厳しい表情で引き揚げる矢野監督
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 「ヤクルト1-0阪神」(15日、神宮球場)

 首位に立つプレッシャーなのか、あと一本が出ない。阪神はチャンスを生かせず、9残塁の拙攻で今季9度目の完封負け。中でもこの日、大ブレーキとなったのはジェリー・サンズ外野手(33)だ。2度の満塁機でいずれも凡退するなど4打数無安打。サンズだけでなく状態が下降気味の猛虎打線だが、優勝のためにもこの苦境を乗り切るしかない。

 阪神打線が満塁機での“無得点地獄”にハマった。1点を追う八回2死満塁の絶好機。ヤクルトが誇るセットアッパー・清水が投じた一球にサンズが中途半端な形でバットを出す。一塁塁審はスイングの判定。初球から3球連続のフォークにすべて空振りする形で三振に倒れ、得点を奪うことができなかった。

 とにかくあと一本が出ない。満塁の場面で適時打が出たのは10日の広島戦、八回表の近本が最後。その後はこの試合で、実に7人連続で満塁機での凡退が続いている。

 この日1度目の満塁は六回だった。無死から近本が右前打で出塁。初回から4イニング連続、これで5度目の先頭打者の出塁だ。八回と同じく2死からマルテ、大山が勝負を避けられるような形での連続四球で満塁に。勝負を挑まれたサンズが初球を打ち上げて左飛に倒れ、ここも無得点に終わっていた。

 外国人野手3人がスタメンに名を連ねたこの日のオーダー。「先頭が出たりしてチャンスは作ったんで。ジェリー(サンズ)がちょっと状態が悪いし、まあジュニア(ロハス)もあれやけど…」。矢野監督は2度の満塁機で凡退したサンズの名を挙げながら、重量打線の不発を嘆く。

 前日14日の11残塁に続き9残塁。確かにヤクルト先発・小川の、特にピンチを迎えた場面でのここぞの一球はあっぱれと言えるものだった。それでも…だ。近本が猛打賞を決めるなど絶好調。五回の守備では1死二、三塁のピンチで小川のスクイズが小フライとなり併殺に。手も足も出なかったわけでなく、こちらに流れが来そうな場面もあっただけに悔しさは募る。

 6回1失点の好投を見せたルーキー・伊藤将を見殺しにする今季9度目の完封負け。巨人もサヨナラ勝ちを決めたことで2位、3位との差はともに2・5ゲームに縮まった。「チカ(近本)が出てくれるだけに…。かえすところのバッターの誰か(の調子)が上がってこないとちょっと厳しいな」と指揮官の表情は険しい。残り31試合。ここに来て阪神打線が壁にぶつかった。

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