阪神・中野 満塁一掃V三塁打!逆転G倒、マシンガン継投打破 連勝なら再び首位浮上
「阪神7-3巨人」(3日、甲子園球場)
鮮やかな逆転劇を締めくくったのは阪神の中野拓夢内野手(25)だ。1-3の七回、大山の2点適時打で同点に追い付き、なお2死満塁で、右翼フェンスに直撃させる走者一掃の勝ち越し三塁打。プロ初の1番に起用されたルーキーが、勝負強さを発揮した。大事な巨人との首位攻防3連戦初戦を快勝した猛虎。この勢いのまま一気に首位を奪回や!
雨雲が通り過ぎた甲子園の上空に白球が高々と舞い上がった。「あそこまで飛んでるとは思ってなかった」。中野の思いと虎党の声援が後押しした。打球は右翼フェンスに直撃。ナインもベンチを飛び出して、三塁上の中野に拳を突き上げた。
同点の七回2死満塁で、マウンドには左腕・大江。「四球や死球でも1点が入る場面」とわかっていた。それでも「多少のボールなら振りにいこう」とフルカウントから迷いなく強振。見逃せば高めに外れたボール球。押し出しで1点は入った。ただ、気持ちの強さで走者一掃の適時三塁打を放ち、3点をたたき出した。
殊勲の一打までは19打席連続無安打だった。しかも「巨人戦で結果が出せていない」と、対巨人打率・200と苦戦していた。だからこそ喜びも大きい。「今日がその日(最も印象に残る巨人戦)になった」。中野にとって生涯胸に刻まれる伝統の一戦となった。
3点差の逆転は7月12日・DeNA戦に並び、今季最大差の劇的勝利。矢野監督も「見逃せばボールだったと思うんだけど、挑戦しようとか失敗を恐れないと言ってるチームなんで」と、強気の姿勢を高く評価した。
新人ながらすでに必要不可欠な存在だ。この日はプロ初の1番打者として出場。ただ、大幅変更した打線に、チームを共にけん引してきた佐藤輝の名前はなかった。一緒に行動することも多い中、「いい意味で自分を持っている、マイペースな」佐藤輝に助けられた時もあったという。
佐藤輝から盗みたい能力は、即答で「飛ばせるところ」と笑顔で話していた中野。不振に苦しむ同期のパワーが乗り移ったかのように、打球は失速せずにフェンスまで飛んでいった。七回の攻撃終了後、佐藤輝もベンチの最前列で出迎えてくれた。
首位攻防戦となった後半戦初の伝統の一戦。負ければ今カードでの首位浮上は消えていた。「今日、勝てたのは非常に大きいこと。何とかこのカード3連勝できるように」。連勝なら、再び首位に返り咲く。中野の一打にナイン全員が拳を突き上げた。この結束力で、わっしょいベースボールを打ち砕く。
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