阪神・大山 意地のV打「死ぬ気で行きました」2試合ぶりスタメンで連敗止めた

 6回、バットを折りながらも勝ち越し適時打を放つ大山
 6回、バットを折りながら勝ち越し適時打を放つ大山
 6回、勝ち越しとなる適時打を放った大山は筒井コーチ(左)とグータッチを交わす
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 「阪神2-1中日」(1日、甲子園球場)

 死ぬ気で行きました-。お立ち台で口を突いたセリフが土俵際に追い込まれていた男の心理を代弁する。不振から2試合ぶりにスタメン復帰した阪神・大山悠輔内野手(26)が同点の六回2死一、三塁から、決勝の右前適時打。連敗を4で止めた主将の意地。16年ぶりの優勝は大山なくして語れない。

 大山が三度目の正直で殊勲の決勝打を放った。同点に追いつき、なおも続いた六回2死一、三塁の好機。「ストレートが来たら行こうと思っていたので、見る気はなかったです。死ぬ気で行きました」。3ボールから田島の外角直球を振り抜き、バットを折りながらも右翼線に運んだ。

 笑顔なき一塁ベース上の大山に、スタンドから割れんばかりの大きな拍手。矢野監督は「『振れ、振れ』と思いましたけどね。あそこで振らないようじゃ、僕たちの野球じゃない。悠輔も今は苦しんでいますけど、だからこそ振ってほしいなと思っていました」と思いが通じたことを喜んだ。

 2試合ぶりに「6番・三塁」でスタメン出場。初回2死満塁で投ゴロに倒れ、四回1死一塁では二ゴロ併殺打に抑えられた。「ふがいない思いがあったので、何とかしないといけないという気持ちでした」と主将。六回の3打席目に向かう前、北川打撃コーチから熱いゲキを飛ばされた。

 「(前の打席は)紙一重でゲッツーになっただけだから同じ感じで。弱気になるな。前向きに、前向きに。悪くないから仕留めることだけを考えていけ」

 打率・238、得点圏打率・202はいずれも規定打席到達者の中でリーグワースト。8月27日の広島戦では得点圏に走者を置いた場面で3度凡退し、翌日にスタメンを外されるなど、再び4番をはく奪された。

 前日、そしてこの日の試合前と2日連続で早出特打に参加。同じく不振の佐藤輝と必死に前を向き、復調のきっかけを探している。「コーチや裏方さんが手伝ってくれているからこそできることなので、その方々の思いを無駄にしないように試合に臨んでいます。今日、いいところで出たことは少し恩返しができたかなと思います」

 全員一丸で戦う矢野野球を体現する男は悩み、苦しみながらも一歩ずつ前に進んでいる。12試合ぶりの適時打で連敗を「4」で止めた。大山が完全復活を遂げれば、必ず流れが変わる。

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