「阪神４－３ＤｅＮＡ」（１２日、甲子園球場）

　阪神・梅野のバットが奇跡への扉をこじ開けた。３点を追う九回１死。守護神・三嶋から３安打猛打賞となる右前打で出塁すると、そこからチーム一丸の波状攻撃だ。

　「みんなの根性というか、最後、諦めない気持ちが何かあるんじゃないかなって。ヒット１本ずつ、つないでいくことによって気持ちも入るし。気持ちがつながった、九回の攻撃だったと思います」

　前カード３連戦に負け越し、全打席に思いを込めた。二回２死一塁は右前打でつなぎ、四回は２死から右前打で出塁した。「本数というより一つ一つに意味のある、気持ちで出たようなヒットが多かった」と振り返った。

　守備でも先発・青柳を粘り強くリードし、２番手・藤浪、３番手・及川の快投で流れを呼び込んだ。サインを出す指先にも思いを込め「ヤギ（青柳）も一生懸命頑張ってくれた。中継ぎのピッチャーも追加点を与えなかった」と投手陣の奮闘をねぎらった。

　この日、６月度「ＤＡＺＮ　月間バッテリー賞」を６月４戦４勝、防御率１・２０の青柳と初受賞した。「梅野さんにはいつもリードで助けていただいています」と青柳が感謝を伝えれば、梅野も「青柳と２人で取れたのがうれしい」と喜んだ。前半戦残り２試合。精神的支柱も担う梅野が攻守でチームの先頭に立つ。