阪神12安打なのに2点 好機で凡退…大山3戦無音 矢野監督「こんなこともある」
「中日6-2阪神」(23日、バンテリンドーム)
阪神の12安打に対して中日は8安打。それだけを見れば、なぜ4点差もつけられて負けたのか、不思議な敗戦だった。一方で“負けに不思議な負けはなし”と言われるように、この日の負けには明確な敗因があった。
得点は四回無死一、三塁で糸原の併殺打の間に入った1点と、佐藤輝が放った六回のソロ本塁打のみ。猛打賞の近本を含めて、5人がマルチ安打を記録しながらも、ホームベースが遠かった。
「かみ合ってないというところで。いいところで、もう一本が出えへんかった」。矢野監督は振り返ったが、チームが掲げる積極的な走塁が裏目に出るシーンも多かった。
最も痛かったのは1点を追う五回だ。1死一塁で中野がセーフティーバントを仕掛けると、中日先発の福谷が一塁へ悪送球。ボールが右翼ファウルゾーンを転々としているのを見た、三塁コーチャーの藤本守備走塁コーチが腕をグルグルと回す。だが、一走の近本は本塁手前で悠々アウトとなってしまった。
二回1死一塁でも糸原の中前打で三塁を狙った一走・サンズが憤死。さらに六回には糸原、七回には近本の二盗失敗で攻撃が終わった。それでも指揮官は「そんなん全然。藤本(コーチ)だってずっといい判断をしてくれているし、迷ったら俺は行ってくれた方がいい。年間の中でこんなこともある」と話す。
好機で凡退が続き、3試合無安打の大山も気掛かりなところ。だが「あいつ自身も一生懸命にやっているし、俺自身が受け止めながらどうしていくかを日々の中で考えていく」と悠然と構える。
2位で並ぶ巨人、ヤクルトがともに勝ったため、その差は5ゲームに縮まった。まだまだ残り78試合。首位を快走する矢野阪神のスタイルを崩すことなく、このまま突き進んでいく。