阪神・アルカンタラは梅野の意図ある配球を理解できるかが重要 岡義朗氏が指摘

 「阪神3-7オリックス」(3日、甲子園球場)

 阪神の先発・アルカンタラは、来日最長の7回を投げて3失点。勝ち負けはつかなかったが、梅野が好リードで粘り強い投球へ導き、勉強になる登板となったはずだ。

 この試合でアルカンタラは三回まで完全投球。150キロを超える直球は威力があり、ストライク先行でテンポのよい投球を見せていた。

 だが、3点リードの四回に突如リズムが狂った。このイニングは1番・福田から始まり、打順が2巡目に入った。ここで突如、ボール先行の投球となり、福田に四球を与えたことをきっかけに2失点。五回には同点を許した。

 さらに同点の六回には無死一、二塁とした。これ以上は厳しいかと思われたが、梅野が打者心理を手玉に取った配球を見せた。

 T-岡田に対して3ボール1ストライクからの5球目に直球を選択し、見逃してフルカウント。打者が変化球マークになる状況で、またしても直球を要求した。T-岡田の完全に裏をかき、振り遅れた空振り三振に仕留めた。

 続く紅林の初球は、難しいショートバウンドを何とかミットに当てて後逸を阻止。アルカンタラを大きく助ける2球だった。

 さらに七回2死一、二塁でも吉田尚に対して、3ボール1ストライクからの5球目に内角直球を要求。見逃しストライクとなった吉田尚が「えっ?」っというような表情を見せ、迷いが出たように見えた。すると、梅野は6球目にも内角直球を要求して三邪飛に仕留めた。

 梅野からすれば、「四球でもいい。しっかり腕を振って、厳しいところにしっかり投げてこい」という意図があって要求した内角直球だったと思う。

 アルカンタラがその配球の意図を分かっているかが重要だ。吉田尚は結果的に厳しいコースで三邪飛に仕留められたが、シュート回転して少しでもあまく入れば、相手は打率・351の首位打者だけに痛打を浴びる確率が高まる。

 梅野は最悪、四球になったとしても「次の杉本で勝負すればいい」という割り切りもあったはず。アルカンタラは「球威があるからストライクに投げればいいんだろう」という意識ではなく、梅野の意図をしっかりと感じ取ってほしい。

 アルカンタラの投球を見ていると、ガンケルとは違って、コーナーや高低へ投げ分けるというよりも、力任せで「ストライクが取れればいい」という投球に見えるケースが多い。この日の投球を見ていても全体的に高かった。相手からすれば、球威任せでどんどんストライクを取ってくる投手は、目が慣れた2巡目に入ると捉えやすくなる。

 梅野が勝負所で見せた意図がある配球を理解できるか-。それが日本球界で活躍するためには重要だ。この日の経験を今後に生かしてもらいたい。

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