阪神・藤浪 甲子園1号!1450日ぶり聖地星 独走6連勝、最速貯金「10」

 5回、1号先制2ランを放つ藤浪
 5回、先制2ランを放つ藤浪
 5回、先制2ランを放ち、拳を握りしめダイヤモンドを回る藤浪
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 「阪神2-0ヤクルト」(16日、甲子園球場)

 さすが甲子園の申し子や!阪神・藤浪晋太郎投手(27)が五回に甲子園でプロ初本塁打となる決勝の1号2ラン。投げては5回2/3を3安打無失点で、1450日ぶりの甲子園白星となる2勝目を挙げた。チームは3試合連続完封勝利で6連勝。今季最多の貯金10とし、独走態勢へ突入しつつある。

 甲子園に驚きの快音がこだました。藤浪が豪快に振り抜いた打球は浜風を切り裂いて、グングン伸びていく。スタンドのどよめきと共に、白球は左翼席へ着弾。「甲子園で本塁打を打ってみたい」。14年にプロ1号を放ってから心に秘めていた夢がついにかなった。

 「びっくりするというか、あまり覚えていないというか、味わう余裕もなかった」

 0-0の五回。1死一塁で中野が三振に倒れると、ネクストで準備していた原口がベンチへ。代打の可能性もあった藤浪に2打席目が巡ってきた。梅野が二盗を決めて2死二塁。フルカウントから石川の直球を強振した。

 18年9月16日・DeNA戦(横浜)以来、プロ通算3本目の一発は甲子園初アーチ。高校時代を含めると、高3夏の甲子園準々決勝・天理戦以来だった。

 飛距離はドラフト1位・佐藤輝(近大)が15日・広島戦で放った5号2ランと同じ131メートル。今季、阪神打者が甲子園で放った本塁打で最長タイだった。強打者顔負けの特大弾で自らを援護した。

 この日は虎の表情が大きくプリントされた「ウル虎ユニホーム」を着用。お立ち台では本塁打は直球待ちか問われ、「投手なので大したこと言えないですけど、大阪のおばちゃんみたいなユニホームを着ているので、しぶとくいってやろうと」と言い、笑わせた。

 あの日の感動を忘れるはずがない。2軍暮らしが続き、19年初登板となった8月1日・中日戦。聖地のマウンドに上がると、驚きの光景が広がっていた。

 「ヤジが多くて投げにくいな、嫌だなと思っていた日もあったけど、ものすごい歓声をいただいて。甲子園大好きです」。この夜もファンの後押しを受け、粘り腰を発揮した。

 今季4戦目は左足の上げ方を変え、三回まで無安打投球。それでも今年では珍しく抜け球が目立った。「気持ちが先行しすぎてタイミングが合わなかった」。四回1死で山田に今季初死球。六回2死一塁でも塩見に死球を与えて降板となった。

 それでも5回2/3を3安打無失点。今季2勝目は17年4月27日・DeNA戦以来1450日ぶりの甲子園星となった。「1000日を越えるとさすがに多い」。冗談を交えつつ素直な喜びを口にした。

 チームは矢野政権最長タイの6連勝で貯金10。05年、甲子園のスタンドで見届けたリーグ優勝の瞬間を今年こそ-。聖地の申し子がVロードの先頭に立っていく。

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