「ＤｅＮＡ０－４阪神」（１０日、横浜スタジアム）

　打った瞬間に、行ったと分かる一撃だった。勝利を決定付けるアーチを阪神・サンズが笑みを浮かべながら振り返る。

　「きのうのテルほどは飛ばなかったけどね。それでも勝利につながったので良かった」

　１点リードで迎えた九回、１死二塁からＤｅＮＡの戦意を喪失させる２ラン。場外に消える前夜の佐藤輝が放った推定１４０メートル弾には及ばなかったものの、左翼席最上部の看板にあと少しで直撃という推定１３０メートルのダメ押し弾だ。

　この日、本塁打を放ったヤクルト・村上と並ぶ、リーグトップタイの５号。助っ人砲は「シーズンの出だしを力強くスタートしたかったし、いい形でそれができている。続けていきたいね」と胸を張った。

　巨人３連戦の最終日となった８日、試合前練習でのことだ。「プロの経験という意味では自分の方があるし、なにか自分の知識をシェアすることで、彼のヒントになればという思いでね」。結果の出ていなかった佐藤輝にバットを使いながら、アドバイスをするシーンがあった。

　「スイングとか、持っているものは素晴らしいものがある」と認めるルーキーに惜しみなく助言をする“サンズ先生”。恐怖の５番打者としてはもちろんのこと、今やチームに欠かすことができない大きな存在となっている。