阪神・山本 サヨナラ打!巨人から金銭トレードで大仕事「タイガースの一員になれた」

 9回、劇的なサヨナラ打を放ち、ナインからの祝福に大喜びする山本
 9回、サヨナラ打を放ち、ナインから手荒い祝福を受ける山本(左端)
 9回、サヨナラ打を放ち、矢野監督(左から2人目)にねぎらわれる山本(中央)
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 「阪神1-0中日」(3日、京セラドーム大阪)

 猛虎に劇的勝利をもたらしたのは新戦力だった。両軍無得点で迎えた九回2死一、二塁。あと1アウトで引き分けに終わる緊迫した場面で、阪神・山本泰寛内野手(27)が中越えのサヨナラ二塁打を放った。オフに巨人から金銭トレードでやってきた男が大仕事を果たし、チームも2位に浮上。背番号00が貴重な戦力として、これからも大暴れする。

 山本が浪速のど真ん中で殊勲のヒーローになった。両腕を天井に突き上げ、歓喜のウオーターシャワーを全身に浴びた。「タイガースの一員になれた気がして、本当にうれしかったです」。人生初のサヨナラ打。黄色に染まるスタンドを目に焼き付け、かみしめた。

 0-0の九回。怒濤(どとう)の代打攻勢で2死一、二塁の好機をつくり、途中出場の背番号00が打席に入った。「代打を送らないで使ってくれた監督に感謝したいと思います」。燃える思いを一振りに込め、福の初球をスイング。打球は大島の頭上を越え、中堅フェンス手前で弾んだ。

 巨人の一員だったプロ5年目の昨季は1軍戦出場ゼロ。菅野のプロ野球新記録となる開幕投手から13連勝、坂本の通算2000安打、そしてリーグ連覇とお祭り騒ぎの1年だったが、山本にとっては苦悩の日々だった。

 だが、腐らなかった。同学年で同じ内野手の増田大や若林が躍動する中、自身はジャイアンツ球場で「来年は、来年はとずっと思って取り組んできた」と後輩たちに交じって泥だらけになった。阿部2軍監督と二人三脚で打撃力向上に励んだ1年。その時の教えが「もう全てだと思います」とこの日に生きた。

 「細かい部分もそうですけど、技術だけじゃないっていうところですね。やっぱり頭で考えて、狙い球を絞って。メリハリというか、思い切っていくところはいくし。そこの考え方はすごく学んだ部分かなと思います」

 お立ち台では「プロ6年目。今年阪神に移籍してきました山本泰寛です。今後とも応援よろしくお願いします」と自己紹介した。妻でMBSの辻沙穂里アナウンサーと過ごす関西での新生活も「充実した日々を送れています」と順風満帆な様子。劇的なサヨナラ打は、愛する妻へ日頃の感謝の気持ちを示す一打でもあった。

 矢野監督は「レギュラーになれる力を持っている」とヒーローを評し、4日の先発起用を示唆。内野ならどこでも守れ、長打力に勝負強さも兼ね備える新戦力は「最善の準備をして臨みたいと思います」と前を向いた。引き分けムードから一転、今季初のサヨナラ勝ちで2位に浮上。4日の3戦目にも勝ち、待ちに待った週明けからの巨人3連戦に向かう。

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