「広島４－２阪神」（３１日、マツダスタジアム）

　プロ初登板初先発だった阪神のドラフト２位・伊藤将はゲームを作る能力のある投手だと感じた。８安打されたが、緊張した中での登板だっただろうから、この日は本来の制球力ではないだろう。先制された三回は３安打と１四球を与えているが最少失点。四球から大崩れする心配もなさそうだ。

　特徴は、テークバックが小さく腕が縦の振りであることから打者からすると直球とチェンジアップの見極めが難しく、ボールの出どころも見づらいのではないか。実戦映えする投手という印象だ。

　一方、打線はサンズが好調。その後の６番を打つ佐藤輝は相手バッテリーから警戒されており、必然的に走者を置いた状況で７番・梅野へ回るケースが多くなる。この日の四回もサンズと梅野がタイムリー。梅野は勝負強い打撃ができる選手。佐藤輝の後に梅野が座る打順の並びはうまく機能しそうだ。

　そして見落とせないのが遊撃で先発出場した山本が三回に見せた好守備。先制されてなおも２死一、二塁のピンチが続いたが、打者・メヒアの遊撃後方へ落ちそうな飛球を背走しながら好捕した。このプレーが四回の２得点へつながった。好投する投手からの連打は難しい。山本のプレーのように、守りから流れを引き寄せる試合も大切になると思う。