「広島１－０阪神」（３０日、マツダスタジアム）

　切り込み隊長のバットに上昇気配が見えない。この日も３打数無安打２三振に倒れた阪神・近本。攻撃の流れを作ることができず、完封負けを喫する一因になってしまった。

　開幕してからここまで全４試合で１８打数１安打、打率・０５６。昨季は１０打数４安打、打率・４００と好相性だった森下を前にしても快音は響かない。初回の第１打席は空振り三振。五回の第３打席も１ボール２ストライクからの４球目、森下が投じたチェンジアップにバットは空を斬った。

　昨シーズンも開幕から打率１割台が続くなど、スタートでつまずき、復調するまで時間を要した。同じ失敗を繰り返さないためにも、キャンプで重点を置いた打撃強化。オープン戦で打率・３２４と手応えをつかんだように思えたが…暗いトンネルに入り込んでしまった。

　相手のエース級を打ち、得点力を上げるためには１番を任される近本の奮起が必要不可欠。不振脱出のきっかけをつかみ、一日も早い復調が待たれる。