阪神・サンズ、今季初実戦で順調な調整ぶりをアピール 矢野監督「できるなって思う」
「練習試合、阪神1-4DeNA」(23日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)
今季もこの男は頼りになる。阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が23日、今季初実戦となる練習試合・DeNA戦で順調な調整ぶりをアピールした。1軍では初の「一塁・5番」に入り、四回の第2打席で二塁打。また、シーズン本番でも起用される可能性がある一塁守備も無難にこなし、新たな可能性を示した。
鋭い打球が左中間を突き破った。確かな手応えに二塁ベースの上で納得の表情を浮かべる。今春自身初の実戦となったサンズが、万全の仕上がりぶりを見せた。
コロナ禍の影響で2月2日にキャンプに遅れて合流。初日からフリー打撃を行うなど準備を進め、実戦に出られる状態までたどり着いた。「しっかりゲーム感覚を確かめることができたし、タイガースじゃないピッチャーの球を見ることができてよかったよ」。昨年とは異なる調整も問題はなかった。
初回の第1打席は遊ゴロに倒れたが、先頭で迎えた四回の第2打席で快音を響かせた。2ボールから阪口が投じた高め141キロ直球に反応。コンパクトなスイングで左中間へ運び、二塁打とした。
甘い球を確実に捉える打撃は今年も健在だ。「たくさん球を見て、自分でしっかり目を慣らして、結果が出たのでよかったけど。これからシーズンに向けてたくさんボールを見て、しっかり準備していかないといけないと思っている」。徐々に実戦感覚を呼び起こし、開幕に備える。
慣れないポジションでの守備も無難にこなした。この日は1軍では初となる一塁で出場。「これからたくさん一塁の守備を経験して、もっともっと自分に余裕を持ってプレーできるように練習したい」。初回、先頭・神里のゴロを難なく捕球してアウトに。二回には蝦名が放ったマウンド付近の飛球に対して「オッケー」と大きな声を出して処理した。
攻守で結果を残した助っ人。矢野監督は「もともとハンドリングはうまい。捕ってるのを見ても一塁できるなってのは思う。勝負強い打者なので、これからももっと上げていってもらえたら」と今季も奮闘を期待した。
来日2度目となる開幕まで、残り約1カ月。16年ぶりのリーグ優勝へ。無類の勝負強さを誇る助っ人が本領を発揮する。