阪神・西勇「宣言通り」チーム初の完封!得意鯉で6勝目

 完封での勝利にガッツポーズで梅野とともに喜ぶ西勇(左)
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 「阪神4-0広島」(11日、甲子園球場)

 最後の打者を三振に打ち取ると、阪神・西勇は両拳を突き上げた。スコアボードに並べた9個の「0」。“宣言通り”の112球に、エースとしての覚悟があった。今季チーム初の完封勝利。登板過多の中継ぎを救い、沈むナインを鼓舞した。2位再浮上を導く熱投だった。

 「使命感がありました。無事に宣言通り、完投できてよかった」

 当初予定の13連戦は雨天中止を挟んだが、それでも連戦が続いている。横浜からの移動試合にエースは覚悟を決めた。「完投してくれ」。試合前、ブルペンを預かる金村投手コーチの懇願に、力強くうなずいたマウンドだった。初回、上位打線を3人で封じる。アップテンポの投球は攻撃、守備にも好リズムを生んだ。

 マウンドでは努めて笑みを振りまき、全身で沈むチームをもり立てる。「引っ張って行きたい気持ちもある。体現しないといけない」。七回、無死一塁で長野を遊ゴロ併殺。八回は1死一塁で堂林を二ゴロ併殺に打ち取った。抜群の制球力で3併殺。今季5戦無敗、3勝の鯉キラーだ。

 エースの仕事はマウンドだけに限らない。9日、鳴尾浜で調整した際には後輩にサプライズを用意した。ブルペンに入ると捕手を藤田に任せ、井上と遠藤を打席に立たせた。将来を担う新人3人。これがプロだ、これが1軍だぞ。若手時代に得た“財産”を惜しみなく還元する。無言のメッセージでもあった。

 「僕もオリックスにいた時、ベテラン選手の投球を見るのが、すごくいい経験だった。僕も中堅の立場。シーズン中に関わらず、大事なことだと思う」

 マウンドで見せる執念に大山、糸原、近本が好守で応える。梅野は好リードで支えた。「負けられないので、勝てたことがよかったです」。甲子園で初の完封勝利よりも、一丸で手にした1勝に笑みが浮かんだ。逆転優勝の希望をつなぎ、後輩に威厳を示した6勝目。戦いはまだ終わらせない。

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