阪神・高橋 圧投2勝目 3戦いまだ2失点 次代のエースや!抜群すぎる安定感

 「阪神5-1中日」(25日、甲子園球場)

 やっぱり甲子園の声援が力になる。虎の若きサウスポーが112球の熱投で3連勝中だった竜の勢いを止めた。阪神の高橋遥人投手(24)は中6日の先発で自己最長タイとなる8回を投げ、6安打1失点で2勝目を挙げた。チームは今夏の長期ロード明けの初戦を白星で飾り、3位・中日とゲーム差なしに迫った。

 8月もあと少し。親子連れが目立ったスタンドのファンへ、高橋が最高の夏の思い出を届けた。プロ初完投こそ逃したが、3年目の覚醒を予感させる2勝目。試合後のお立ち台では声を張り上げて感謝を口にした。

 「しっかり試合をつくれて、勝利に貢献できてすごくうれしいです。ピンチの時や抑えた時は声援がすごく聞こえています。勇気をもらっています。ありがとうございます!」

 先発ローテの柱へ、一つ壁を乗り越えた。昨オフ、高橋は明確な課題を口にした。「試合序盤から中盤ぐらいにいつも点を取られちゃう」。四、五回に失点が相次ぎ、3勝9敗と黒星が先行。現状を打破するため、投球に剛と柔を織り交ぜた。

 試合序盤は最速149キロを計測した直球で攻め、好調の中日打線を圧倒。二回に先制点を与えても動じず、五回まで直球割合は68%に達した。中盤以降は緩急自在だ。カットボール、ツーシーム、スライダーなど変化球を多投。六回からの3イニングは直球割合を37%にとどめ、八回は圧巻の三者凡退締め。最後まで翻弄(ほんろう)した。

 もう一つの壁も飛び越えている。昨季、高橋の1試合平均イニングは6回。「他球団のエース級の投手は平均7は投げていると思うので」。ワンランク上の投手へ、今季は目標に7回以上を掲げる。この夜は自己最長タイの8回を6安打1失点。今春は左肩のコンディション不良で出遅れたが、3試合連続で7回以上をクリア中だ。

 「週の頭で勝ちを持ってくるピッチングができたというのはすごくうれしいです。中6日で8回を投げられたというのも自信にして、しっかりケアしていきたいと思います」

 週頭に加えて、今季初の中6日登板での白星に高橋は納得顔だ。矢野監督もホッと一安心した様子で「中6日でしっかり投げてくれるというのはこっちとしても、遥人(高橋)もまた一歩前に進めていると思う。素晴らしい内容でした」と称えた。

 次回は13連戦初戦の9月1日・ヤクルト戦(甲子園)の先発が濃厚だ。今季登板3試合の防御率は0・82。伸び盛りの左腕が9月反攻のキーマンとなる。

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