【岡田彰布氏の眼】阪神が簡単に与えてはいけなかった“次の1点”

 「阪神2-2広島」(16日、京セラドーム大阪)

 相手に流れを渡してしまったのは、2点リードの六回、1死三塁の場面だろう。広島の鈴木誠に三塁打を許し、松山を迎えたところで阪神の内野陣は前進守備を敷かなかった。ガンケルは初球を痛打され、簡単に“次の1点”を奪われてしまった。

 今のチーム状況を鑑みても、リリーフ陣に不安があることから、やはり2点リードを保って終盤を迎えたい。広島の先発・遠藤も良かっただけに、追加点を奪える可能性は低かった。相手のミスで初回にもらった2点以降、どちらも得点がない展開。次の1点をどちらが奪うかで、ゲームの流れは決まる。

 だから六回、松山を迎えた場面は前進守備を敷いてでも失点を防ぎたい。これが一、三塁や二、三塁など同点の走者が塁上にいる場合は、内野は後ろでいい。1死三塁の前進守備でシングルヒットを許したとしても、まだ1点リードで走者一塁。打順も下位に向かうことから、同点は阻止できるという算段が立つ。

 そしてベンチが前進守備を敷かせることで、この1点を守りにいくというチームの意志統一が図れる。するとバッテリーの配球も変わったはずだ。ガンケルと梅野は様子を見ながら入るだろうし、ゾーンを低くして内野ゴロを打たせるように組み立てる。

 バッター目線でも前進守備はヒットゾーンが広がるという考え方の一方で、よりプレッシャーもかかる。最低限、内野ゴロで1点という状況と、絶対に外野フライ、ヒットが必要となれば打席での考え方も違ってくる。

 勝率5割で18日からの首位・巨人戦を迎えたかった試合。初回に相手からラッキーな形で2点をもらっただけに、勝ちゲームにしなければいけない展開だった。

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