阪神・藤浪に「失うものがないほど色々乗り越えてきたから結果を」 北別府氏が助言

 23日の広島戦で先発する藤浪
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 阪神の藤浪晋太郎投手が23日の広島戦(甲子園)で今季初先発する。新型コロナウイルス感染や練習遅刻、右胸の軽度の筋挫傷などで出遅れたが、2軍で結果を残して先発の機会を得た。通算213勝を挙げた元広島のエースでデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「力むこと無く自分に打ち勝ち、持ってる力を出し切るほどの気持ちで臨んでほしい。自分の実力が分からなくなるほど悩んでいたかもしれないが、もう失う物がないほどいろいろと乗り越えてきたのだから結果を出せ!」と辛酸をなめ乗り越えてきた球界の先輩として助言した。

 北別府氏は成人T細胞白血病で闘病中だった3月、藤浪の新型コロナウイルス感染にブログで「運が悪いと思うなよ。申し訳ないと思うなよ。しっかり治して阪神ファンを、野球ファンをマウンドの上から喜ばせてください。もちろん私もその姿を待っているし、復活する姿を見たいと思っていますよ」と励ましの言葉をつづった。

 その後、藤浪は女性との食事会が発覚。加えて練習遅刻などで2軍落ちした。北別府氏は「どん底まで落ちて野球でもがき苦しんでいる最中にうかつなことをしたと思ったよ。しかし2軍では冷静なピッチングをしてチャンスをもらったわけだから、今までと違った結果を出さないといけないし、チームにも応援してくれているファンに恩返ししないといけない」と話した。

 高卒1年目の2013年から3年連続2桁勝利を挙げ、将来を嘱望された。しかし、制球難で16年から成績が下降。昨年は0勝に終わった。213勝右腕は「これまでの藤浪は持って生まれた運とセンスだけでも出せた結果だった。まだ26歳。球界では30歳前までにピッチングスタイルが変わったり、伸びたりする投手もいる。あれ程の実力を持ちながら、できるはずのことができなくなっている。球界を盛り上げるためには藤浪投手に、今までと違った気持ちでもう一回積み上げてもらいたいと願う」と、生まれ変わりを期待した。

 投球では「初回を乗り切ることができるか、いかに冷静に放れるか。あまり自分にプレッシャーをかけずに入らないといけない。2軍と違って観客も入っている。投げ急ぐことなく、自分のリズム、フォームで投げていかないといけない」と球界の先輩投手としてアドバイスした。

 広島の予告先発は、ドラフト1位・森下暢仁投手(明大)。コンディショニング不良で1軍出場選手登録を抹消されていたが、14日ぶりにマウンドに戻ってくる。北別府氏はこちらの投球も楽しみにしている。

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