【新井貴浩氏の目】矢野監督の思いがチームに浸透
「セCSファーストS・第3戦、DeNA1-2阪神」(7日、横浜スタジアム)
矢野監督の一貫した攻めの采配が光った。例えば好投していた高橋遥を3回で降板させ、代打・鳥谷を送った場面。あるいは八回、植田を代走で起用し、二盗で好機を広げた場面。シーズン終盤から負けられない戦いが続いた中で、矢野監督の思いきった采配、思いというのがチーム全体に浸透してきている。
前日にサヨナラ本塁打を浴びた岩崎を、2試合続けてイニングまたぎさせたあたりには、腹の据わった矢野監督の気持ちが見える。岩崎が疲れていることも承知の上。“おまえで点を取られたら仕方がない。打たれたらすべてオレの責任”という信頼を込めて、送り出している。そういう監督の気持ちが、若い選手たちをノビノビとプレーさせていることにつながっている。
ファイナルSもこれまで通りの戦い方でいけばいい。崖っぷちで勝ちきってきた中で、チーム力も上がってきている。巨人に対してはシーズンで負け越したが、相性は一切気にする必要はない。思い切ってぶつかっていけば、勝機は開ける。