阪神が王手 CS史上最大6点差大逆転 北條3ラン&V撃5打点!矢野監督泣かせた

 「セCSファーストS・第1戦、DeNA7-8阪神」(5日、横浜スタジアム)

 奇跡の大逆転劇だ。阪神がCS史上最大となる6点差をひっくり返し、CSファイナルS進出に王手をかけた。立役者は北條史也内野手(25)だ。七回に2点差に迫る3ランを放つと、八回は決勝の逆転2点三塁打。CSでは球団史上最多の1試合5打点を記録した。6連勝締めしたレギュラーシーズンの勢いが止まらない猛虎。下克上へ突っ走る。

 横浜スタジアムが、次第に異様な空気に包まれていった。ここで決めてやる-。北條が迷わず振り切ったスイングから、糸を引く打球が前進守備を敷く中堅の頭上へ飛んで行った。外野の人工芝に弾む白球。次の瞬間、割れんばかりの大歓声と拍手、そして悲鳴が渦巻いた。

 最高の場面は、2点を追う八回だ。2死から木浪の適時打で1点差とすると、続く近本の右前打と盗塁で二、三塁。一打逆転のチャンスで、北條は国吉の投じた3球目、140キロカットボールに食らいついた。値千金の逆転2点適時三塁打。執念の一撃で試合をひっくり返した。

 絶好機でも気負うことはなかった。背中を押してくれたのは、ベテランの力強い言葉。「打席に入る前に福留さんとしゃべって、『きょうは俺の日と違うから、お前行ってこい』と言われたので、決めたろうと思って打席に入りました」。ネクストバッターズサークルから見つめる先輩の期待に、最高の形で応えた。

 初回に3点を奪われるなど最大6点差まで広げられたが、誰も諦めなかった。反撃の起点となったのは北條だ。「点差が開いても諦めないというのがみんなにあった」。七回は試合の流れを引き戻す3ランを放つなど、CSでは球団史上初の1試合5打点と奮闘した。チーム一丸でつかみとったCS史上最大差を逆転する劇的勝利。試合後、矢野監督の目に涙があふれていた。

 大一番を前に伝えたのは、開幕前から繰り返し言い続けている「誰かを喜ばせる」ということ。宿舎で行われたミーティングでは「ここまで来たのは奇跡じゃない。奇跡が起こるとしたらここから。横浜まで来てくれたファン、ここまで来てくれた裏方さんを喜ばせよう」と鼓舞し、短期決戦の舞台に選手を送り出した。そして北條らナインが、指揮官の言葉を体現した。

 劣勢の状況から勝利へ向かって戦い続け、勝利を手にしたチームはさらに一丸になった。レギュラーシーズンから7連勝で、CSファイナルS進出へ王手。「あした決める気持ちで、きょうみたいに諦めない気持ちを持って、全力でプレーしたい」と北條がチームの思いを代弁する。猛虎の下克上が始まった。

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