近本 高山超え新人最多137安打 ミスター超えでセの歴史も塗り替えろ!

 球団新人史上最多となる137安打を放った近本はスタンドの大声援に両手を挙げて応える
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 「DeNA2-9阪神」(5日、横浜スタジアム)

 阪神・近本光司外野手(24)が球団の新人シーズン安打記録を更新した。初回に右前打を放って2016年に高山が作った球団記録の136安打に並ぶと、八回に137安打目となる左中間二塁打で新記録を樹立。社会人から即戦力としてドラフト1位で入団した黄金ルーキーが、球団史に新たな歴史を刻んだ。チームも先発野手全員安打の12安打で9点を奪い、快勝。若い力が逆転CSへ導く。

 ここで決める-。集中力を研ぎ澄まし、打席へと向かった。いつも通り、深く屈伸し、足場をならしてバットを構えた近本。執念と意地が込められた白球は中堅の前に跳ねた。球団新人シーズン最多記録となる通算137安打。虎の韋駄天(いだてん)ルーキーが球団史に名を刻んだ。

 「今日は2本打ちたいと思っていた。どんな形でも塁に出ることを意識していたので」

 先頭で迎えた八回の第5打席。2ボール1ストライクから5番手・藤岡が投じた4球目、136キロの直球を捉えた。打球は左中間へ。そのまま迷うことなく一塁を蹴り、一気に二塁を陥れた。

 初回1死で右前打を放ち、早々と新記録に王手をかけた。だが、その後の3打席で快音は響かず。4度目の挑戦でようやく扉をこじ開けた。「全然、ここが目指してきた数字ではない」と快挙達成はあくまで通過点。一方で「矢野監督やコーチにここまで使っていただいていることは、本当にありがたい」と結果が振るわない中でも、戦力として信じ、起用し続けてくれた首脳陣に感謝した。

 プロ1年目。自らの心に自信を芽生えさせたのは、開幕戦の3月29日・ヤクルト戦で小川から放った初安打だ。「自分が打てると思った球を打つことができた」。不安を抱えながら臨んだ初陣で、両手に確かな感触を得た特別な一打が大記録への始まりとなった。

 同期である木浪の存在も偉業へと到達させる励みとなった。ライバルというよりも強いのは仲間としての意識。自らが樹立した球団新人連続試合安打記録に並ばれたが、気にしない。「聖也があと何本打てば、100本に到達することができる」と、個人記録よりも2人でともに100安打に到達することが、目標の一つとなっている。

 バットだけでなく、足でも球団記録を近づけた。初回2死一塁からマルテの5球目にスタート。今季28個目の盗塁に成功し、球団新人では48年・後藤次男を抜いて歴代単独2位となった。赤星が持つ39盗塁まであと11。残り18試合で着実に積み重ねれば視界に捉えることができる。

 6日からはゲーム差2・5の3位・広島と直接対決。「明日からの3連戦しっかり勝って甲子園に帰りたい」と力強く誓った近本。チームをCSへと進出させるために、バットを握り続ける。

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