大山 今季3度目の猛打賞 上昇4番!リーグ戦再開後打率・421

 1回、先制適時二塁打を放ち、激走する大山
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 「DeNA7-2阪神」(4日、横浜スタジアム)

 最後の最後まで、諦めなかった。九回2死走者なし。もう、打順は回ってこない。それでも阪神・大山悠輔内野手は、ベンチでバットを握っていた。「負けてしまったので」。静かに言葉を絞り出す。今季3度目の猛打賞に、2打点の活躍。それでも敗戦を、4番としての十字架を最後まで背負っていた。

 何度も、何度もチームを鼓舞した。追いつかれ、追い越されても、また追いついてみせる。1点を追う三回だった。2死二塁の好機で、2球目のスライダーをはじき返す。打球は三遊間へ。これを三塁・宮崎がグラブではじくと、その間に二走・近本が一気に三塁ベースを蹴った。

 転々とした白球を、カバーした遊撃・大和も急いでホームへと返球。間一髪のタイミングに、観衆も息をのむ。タッチの行方は-。捕手・戸柱のミットから白球がこぼれ落ち、タッチは認められず。一度コールされたアウトの判定が、セーフに変わると、大歓声に包まれた。

 先制点も、大山のバットから生まれていた。初回2死二塁で第1打席を迎えると、カウント2-1からの4球目だった。低めの137キロに反応。7試合連続安打となる、左中間を真っ二つに切り裂く適時二塁打を放った。

 交流戦を終え、息を吹き返した。ここ5試合で打率・421。この日は2試合連続打点を挙げ、6月12日のソフトバンク戦以来の猛打賞をマークした。それでも、大山は首を横に振る。「勝利に貢献できてこそのこと。そういう打順を打っているので悔しいです」。快音を積み重ねても、勝利に導けなかった現実を静かに見つめた。

 「勝てるチームの4番になりたい」

 目指す理想は大きくて、尊い。だからこそ大山の目標は数字ではないという。「結果が全てなので…」。悔しさが言葉を伝う。呼び込めなかったチームの勝利。最後まで強く、バットを握りしめていた。

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