西 かわいそう…6回2失点も無援地獄7敗目 

9回、試合を見届けベンチを後にする西 
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 「DeNA4-0阪神」(2日、横浜スタジアム)

 その瞳は、真っすぐ前だけを見つめていた。試合を作りながらも喫した7敗目。それでも阪神・西はあえて元気に声を張った。「まだ借金2なので。いつでも取り返せると思うし、いつでもAクラスに戻れる」。チームの連敗を止めきれなかったことに悔しさは募る。だが、決して後ろは振り返らなかった。

 失点を最小限に食い止めた79球だった。それでも六回降板という事実からは、目を背けない。静かに唇をかんだ。「9連戦の頭なので。悔しい投球になりました」。粘投を続け、援護点を待ち続けていた。最後の最後まで願ったチームの勝利。仲間の反撃を呼び込むことはできなかった。

 三回2死走者なしで2番・佐野。その2球目だった。内角のスライダーを豪快にフルスイングされると、打球は右翼ウイング席まで一直線。豪快な一発を浴びると、さらに五回だ。今度は左中間を破られる適時二塁打を浴び、さらに1点を失った。

 白星が遠い。5月10日の中日戦以来、これで7試合連続で恵まれていない。それでも西はキッパリと言い切った。「自分の成績より、チームの勝ちを意識したい」。仲間を信じ、そして自らの仕事を全うする。その思いは変わらない。

 8戦5勝負けなしと、オリックス時代から相性の良かったDeNA戦。ついに9試合目に黒星を喫した。チームも悔しい零封負けだが、うつむいてばかりはいられない。「ピッチャーもバッターも前向きでいいと思う。チーム全体で、モチベーションを持ち直していければいい」。仲間を信じ、助け合い、そして一緒に前へと進む。6回8安打2失点で7敗目。連敗という暗い道に、エースが静かに明かりをともした。

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