矢野阪神、一挙7失点に“怒りのジェット風船” 指揮官「1個のアウトを取っていれば-」

 「交流戦、阪神5-10日本ハム」(8日、甲子園球場)

 ツラいの~…阪神は投手陣が踏ん張りきれず2桁失点で日本ハムに連敗。特に七回はリクエスト成功で2死となってから、今季1イニングワーストタイとなる7失点を喫した。矢野燿大監督(50)は「1個のアウトを取っていれば-」と唇をかんだ一方、終盤に見せた打線の奮起には手応え。9日も超満員となることが予想される甲子園。3連敗だけは阻止してや!!

 聖地今季最多となる4万6724人の観客が見守る中、何ともせつない光景が広がった。七回、日本ハムの攻撃だ。この回すでに3点の追加点を奪われ、5点のビハインド。先発・岩田の後を受けた馬場が、マウンドに上がった直後にバックスクリーンへの満塁弾を浴びる。

 ここで一部の、だが決して少なくはない虎党がやけになったのか、“ラッキーセブン”を待ち切れず、ジェット風船を手放した。打った日本ハム・渡辺がダイヤモンドを周回する中、多くの風船が舞い上がる。もの悲しくグラウンドに落ちた残骸を片付けるため、試合が一時中断。席を立ち、帰路につくファンの姿も見られた。

 その七回は本塁クロスプレーでセーフの判定がリクエストで覆り、2死から今季1イニングワーストタイとなる7失点。「あそこを止められたら、こっちに流れは来たと思う。きょうは1個のアウトを取っていればとか、もう1人なんとかつながったら…というところが攻守にわたってできなかった」と矢野監督は唇をかむ。

 それでも“帰ってしまった”ファンを後悔させるような意地の反撃も見せた。八回に北條の2ラン、九回に高山、北條の連続適時打で終盤に5点を奪う猛攻。「ずっと試合に出るメンバーじゃない選手がやるっていうのは意味がある。そうやって競争になっていくことが、チームの成長にもつながると思う」と指揮官はうなずいた。

 思えば5月25日のDeNA戦。敗れはしたが、最終回に5点を追い上げて1点差まで詰め寄った。翌日は序盤から得点を重ねて7-0の完勝。この日も完敗の中で見せた反撃を意味あるものにして、カード最終戦、“歓喜のジェット風船”へとつなげてみせる。

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