4番・大山1号 セ界大トリ12戦目ようやく出た「自分自身、情けなかった」

 「阪神2-5DeNA」(11日、甲子園球場)

 待望の一発だった。聖地の夜空に阪神・大山が美しい放物線を描いた。48打席目で、ようやく飛び出た今季1号。ただ試合後には、猛省の言葉が並んだ。「もっと大事なところで打てるように頑張ります」。4番が背負うチームの勝敗。その表情は厳しかった。

 2点を追う三回。2死走者なしから迎えた、大山の第2打席だった。カウント2-2からの5球目。高めのツーシームをフルスイングすると、左中間スタンドギリギリへと届いた。待ち焦がれた4番弾。そこには、意地が詰まっていた。

 大歓声の中、グラウンドを一周する。三塁を蹴り、少しだけほえた。それでも笑みはない。初回の攻撃がすべてだった。1死二、三塁の先制機。犠飛でも1点の場面で、三ゴロに倒れた。「初回のチャンスで流れを止めてしまったので」。取り返したかった。

 4番打者に本塁打が出ていなかったのは、阪神と楽天だけ。開幕から要したのは12試合、48打席という長い時間だった。「自分自身、情けなかった」。悔しさを押し殺し、何度も懸命に前を向いた。

 共に覚悟を持って4番を任せ続けている矢野監督も「やり返した打席に見えた」とうなずく。見え始めた復調への光。ただ、満足するのはまだまだ先だ。4番・大山の19年は、ようやく幕を開けた。

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