ジョンソン翻弄カーブ 力より術「変化球は自分の一番の武器」矢野監督も高評価

 「阪神春季キャンプ」(16日、宜野座)

 阪神のピアース・ジョンソン投手(27)=前ジャイアンツ=が来日後初めてケース打撃に登板した。打者5人と対戦。キレのある変化球で打者を翻弄(ほんろう)する変幻自在の投球で、無安打、1奪三振と完璧に封じた。首脳陣は勝利の方程式の一角として起用する構想を描く。期待に応える上々のマウンドさばきを見せた。

 威圧感や豪快さはない。それでもマウンドにたたずむ姿には、たくましさを感じさせた。淡々と目の前の打者を料理していく。ジョンソンが上々の“デビュー”を果たした。

 来日後初登板となったケース打撃。「自分の中でもすごくよかったボール」と軽快に振り返ったのは、1死一塁の設定で迎えた木浪との対戦。フルカウントから8球目の内角高め直球をファウルにされると、9球目は足元へ鋭く曲がる132キロカーブを投じた。狙い通りの空振り三振。クレバーな投球で仕留めた。

 「直球も自分の武器の一つだと思いますけど、変化球が自分の中では一番の武器だと思っている」

 自信を持つカーブのキレ味は抜群。同球で糸原を一ゴロ、坂本を遊ゴロに打ち取るなど打者5人を無安打に封じた。力で抑え込むのではなく、投球術で打者を翻弄した助っ人。計25球を投げ、変化球は半数以上の13球で、カーブ10球、カットボール1球、チェンジアップ2球と技巧派ぶりを示した。

 矢野監督は「ベース上でのキレ味が持ち味。向こう(米国)でも左打者の膝元とかで、結構いい空振りも取っている」と高く評価。受けた梅野も「大胆というよりは、繊細にコントロールしていくタイプ」と評した。最速149キロをマークした直球の威力はあるが、緩急を使った投球術のうまさを認める。

 投球内容だけでなく、クイックモーションも無難にこなした。初めて打者に投げるということで、今回は重要視していなかったが、投球動作を起こしてから捕手のミットにボールが収まるまでの最速タイムは1秒15を記録。才木と変わらないスピードで投げた。

 勝利の方程式の一角を期待される助っ人右腕。最下位からの巻き返しを誓う猛虎を支えるため、新セットアッパーに名を連ねる。

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