【阪神・矢野監督-武豊騎手対談2】矢野監督「オレがヤル」に込めた思い

 同級生による新春BIG対談が実現だ。昨秋に1軍監督に就任した阪神・矢野燿大監督(50)と、昨年前人未到のJRA通算4000勝を達成した天才ジョッキー・武豊騎手(49)が、50歳という節目で挑む19年に向けた思いを語り尽くした。矢野監督が常々口にしているファンを喜ばせるという思いに、武騎手も共感。異なるスポーツであっても、超一流のアスリートだからこその互いの哲学に触れ合い、感じ取った刺激を胸に、ファンのためにも熱い一年を戦っていく。以下は対談その2。

  ◇  ◇

 -金本監督が辞められて、矢野監督が就任された時というのは?

 武豊騎手(以下武)「去年、自然と後半とかはウエスタンの方から結果を見たりとか(笑)。『この人は3タコかあ』とか。自然とファンはそういう気持ちになってたりするのかなと。それで1軍監督というのを聞いた時には、『おおっ』て思いましたね。期待感のようなね」

 矢野監督(以下矢野)「今期待されなかったら終わりですしね(笑)。武さんはどういう時にプレッシャーかかりますか?」

 武「やっぱりビッグレースの大本命ですよね。一回きりで、一発勝負で終わることで、かなり不確定要素の多い中でやらないといけないので。お金もかかってますし、出した結果で応えたいという気持ちが強いですね。ただ、嫌ではないです。『頼むぞ』という空気は。そういうポジションにいるというのは内心うれしいです」

 矢野「楽しめる部分はありますか?」

 武「楽しむと言っちゃうと『お前楽しんでる場合ちゃうぞ』と言われそうですが(笑)。でも、内心はやっぱりニンマリするわけじゃないですけど、だってそのプレッシャーのない中でやってる人は、いわゆるそこまで成績を挙げてないわけで。その場に自分がいるということがうれしいし、そこを目指してやってるわけですから。それを考えると全然嫌じゃないですね」

 矢野「僕自身もそういうふうにやりたいなと思っていて。苦しいと思うのではなく、ある意味その場面をありがたいと思って楽しめたら、その結果も受け止められるのかなと。武さんもビッグレースでプレッシャーがかかると言われてましたけど、僕らもチャンスの時に打席に入ったら、阪神ファンはチャンスですけど、僕はピンチの気持ちになるじゃないですか。ゲッツー打ったらどうしようとか。そういうプレッシャーは日々かかるんです」

 武「阪神は特にですよね、おそらく」

 矢野「チームスローガンを『オレがヤル』にしたんですけど、そういうふうにトライしていってほしいなと。結果のいい、悪いは絶対に出るんですよ。野球は失敗が多いスポーツなんで。武さんも言ってくれたように、指導者として指揮を振る立場になった時に、どっちを選択するのも自分やから、この状況ありがたいなとか、ここでやってやろうとか、そういうふうにやっていってくれたらと思ってますね」

 武「僕も本当にそう思います。阪神の選手でも、街を歩いていて顔の知られていない選手だったら、それってプレッシャーはないけど、それでいいんですか?って話になりますよね。『頼むぞ』とか、試合の後とかで『何やったんや、あそこは』とか言われるということはそれだけ、顔も知られているぐらいの実績があるということですから」

 矢野「そうやって捉えていってくれたらと思いますね。僕も若い時、結果が出ない時に(コーチ陣らが)聞いてくれないことがつらかったんですよ。だから自分が指導者になった時には選手に聞きたいなと思って。『あの時どうやって考えてプレーした?』とか。『何してんねん』って言うことだけでは、話も前に進まないんで。だからそういうふうに聞くというのを、これからも大事にしていくと思うんですけど。でも武さんは馬ですもんね?馬に聞けるんですか?」

 武「しゃべれないですけど、絶対に何か訴えてることとか、分かってあげようというのはすごく考えますね。レース後とかも、普通に今ので良かったのかなとか。あの馬、こんな乗り方で良かったのかな、もっと違う乗り方がこの馬の性格に合ってたんじゃないかなとか。そりゃ本当はミーティングしたいですよ(笑)。打ち合わせもね。勝った時は一緒に街にも連れて行きたいですけど(笑)」

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