阪神の福留孝介外野手（４１）が１１日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸１億５０００万円から現状維持でサイン。会見では４２歳シーズンとなる来季に向け、若手の高い壁として君臨するとともに「邪魔だと言われるまでやる」と強い覚悟を口にした。

　簡単に今まで築いた地位を若手に渡すわけにはいかない。福留はおだやかな表情を浮かべつつも、発する言葉には並々ならぬ力強さを感じさせた。「そう簡単に、（若手に）はいどうぞ、と言うわけではない。邪魔だと言われるまでやる」。世代交代の波を跳ね返すだけの力があると、福留は確信している。

　シーズン終了直後からほぼ毎日、甲子園のクラブハウスで汗を流してきた。その視線が見据えるのは来季、京セラドームでヤクルトを迎え撃つ開幕カード。今季も開幕戦で菅野から先制アーチを放つなど、３連戦で打率・６００をマークした。

　「開幕に向けて任されている部分があるので、何してんのと言われてしまう」と語った背番号８。シーズン序盤に結果を出さなければ、自ら世代交代の引き金を引くことになるのがベテランの宿命。「若手にはない経験があると思っている」と力を込めた福留が若手の高い壁であり続けるために－。戦いはもうすでに始まっている。