才木、奮投132球 6回2/3を2失点、自責ゼロも7敗目

 「阪神1-3ヤクルト」(30日、甲子園球場)

 なかなか立ち上がることができなかった。チームは3連敗。試合後のベンチで才木はただ一人、敵軍のハイタッチを静かに見つめていた。6回2/3を2失点。感覚は悪くなかった。それだけに悔しい。言葉を振り絞った。

 「感覚はいい方だった。でも、失点に四球が絡んでいるのが今後の課題というか。あの場面は抑えたかった」

 唇をかんだのは七回だ。1死から四球を許した2死二塁。ここで山中を迎えた。二遊間への鋭い打球を北條がダイビングキャッチで止めるが、一塁に悪送球。四球で満塁となり、ここまで無安打に抑えてきた青木に左前適時打を浴びた。無念の降板。流れる汗を必死にぬぐい、望月にマウンドを託した。

 反省の言葉がつくのには理由があった。先制点にも絡んだ四球。五回だ。四球で走者を出すと、梅野の二塁悪送球も重なってピンチは拡大。1死一、三塁から、坂口に中犠飛を許して無安打で失点した。「無駄な四球をなくしていかないと」。猛省は尽きなかった。

 今季は初ものづくしの1年だ。初白星、初安打、初打点。負ける悔しさも知った。経験を一つずつ積み重ねている中で、投げない日でもベンチ入りする回数は多い。「ベンチで見て、応援するだけでも勉強になっているんです」。日々、学ぶ。その姿勢が、成長への原動力だ。

 ピンチを残しての降板。才木は後ろを託した望月に頭を下げた。それでも自己最多となる132球の熱投。責める虎党は一人もいない。温かい拍手がいたるところから巻き起こった。

 自身7敗目。「最後のイニングを投げきりたかった。詰めの甘さというか。次はやり返せるように」。このままでは終われない。悔しさを焼き付けたその瞳に、すぐさま力が宿った。

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