北條、プロ初4打点 前夜の悔しさ晴らす2打席連続の適時打

 「ヤクルト7-15阪神」(30日、神宮球場)

 “誤審”のダメージを吹き飛ばした。チームの、ファンのうっぷんを晴らす打球が左中間を破っていった。一気に三塁を陥れ、気迫を前面に出した阪神・北條史也内野手の一打。走者一掃の3点三塁打が、乗ってきた猛虎打線にさらなる勢いを生み出した。

 2点を先制し、なおも1死満塁の場面。カウント1-2と追い込まれながらも「三振だけはしないように」と内角144キロの直球をコンパクトに振り抜いた。打球は追い風に乗って伸びていき、左中間を深々と破った。

 一気に一塁走者の俊介も生還し、自身は一気に三塁へ。続く二回は「いい形で打てたと思います」と逆方向へ2打席連続の適時打を放ち、プロ入り初の1試合4打点。もう一度、自分の居場所をつかむと期した今季、オープン戦で遊撃の定位置争いから脱落した。さらにウエスタン開幕直後は打率1割台と不振にあえいだ。

 チャンスをつかむ糸口すら見えなかった5月、今まで上げていた左足をすり足打法へと変えた。「連続ティーの感覚がよかったので打席でもやってみよう」。何とかしたい、現状を打破したい。その思いから始まった新たな挑戦を“結果”の2文字は見放さなかった。

 「形とかはどうでもいい」と語るように、ガムシャラに輝きを取り戻そうとしている背番号2。開幕から低迷していた打線もこの日はノーアーチながら先発野手全員の15安打15得点。金本監督は「きょうみたいに本塁打なしでも15点取れるんだから。外野の間を抜くとか、そういう気持ちを甲子園でも持ってやってほしいですね」とさらなる奮起を促す。

 前夜の衝撃的な敗戦にも当事者の北條は「終わったことはしょうがない。また次、という気持ちで」。ただ前を向き、ガムシャラに、どん欲に結果を追い求める若虎の姿勢-。それが今、猛虎に確かな勢いを生んでいる。

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