秋山、オリ・金子に投げ勝った 七回ギア上げて三者凡退!7回1失点で5勝目

 「交流戦、阪神2-1オリックス」(7日、甲子園球場)

 マウンドには成長した阪神・秋山が立っていた。我慢、辛抱の投球が実を結んだ粘投。先制点を守れず、同点に追いつかれた。それでも…逆転だけは許さない。「勝ててよかった」。気持ちのこもった95球だった。

 悔やんでも悔やみきれないのは1-0の六回。1死二塁のピンチを背負い、迎えたのは最も嫌なバッターだった。3番・吉田正。この日はここまで2打数2安打と、とにかく当たっていた。カウント1-2と3球で追い込んだが、「久しぶりに真っすぐを捉えられた」と141キロの直球を右中間へ運ばれた。3打席連続ではじき返された直球。痛恨の同点三塁打となった。

 それでも気持ちを切り替え、後続のマレーロ、小谷野はきっちりと打ち取った。そして金本監督がポイントとして挙げた七回。指揮官が「正直代えたかったしね」と振り返ったイニングを見事に三者凡退。「七回はギアチェンジして投げてくれてね。秋山が責任を持って、背負えるようになるための七回でしたから」。前へと進んだ右腕に目を細めた。

 チームが2連敗で迎えたマウンド。交流戦最下位に加え、リーグ最下位も近づいていた。5日は先発の2枚看板であるメッセンジャーが敗戦。「計算できる投手で負けてしまった。なんとか補えたらと思って、今日に臨んでいた」。自覚が芽生えていた。

 昨季ブレークし、迎えるプロ9年目。勝負の1年を前に、秋山は考えていた。「大事なところで勝ちたいというのは、すごくありますね。それがエース、ですもんね」。どれだけ状態が悪くても、しんどくても、チームを引っ張る。その気持ちは強まるばかりだ。

 これで雨天中止の翌戦は6戦6勝。チームの不敗神話も未来へとつなげた。安堵(あんど)の表情は一切見せない。チームの勝敗を背負った今季。だからこそ、強い気持ちでマウンドに立ち続ける。

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