金本監督「やるしかない」 福留の逆転弾一瞬…悪夢サヨナラ負け

 「広島8-7阪神」(5日、マツダスタジアム)

 壮絶に散った。勝利目前の九回、阪神のラファエル・ドリス投手(29)が痛恨のサヨナラ被弾。奇跡の逆転優勝に向けて負けられない一戦で、首位・広島に優勝マジック再点灯を許した。7・5差。ただ、戦いは終わってはいない。残り21試合に死力を尽くす。

 夜空に浮かんだ白球の行方を追った。祈りは届かない。大歓声が巻き起こり、真っ赤な人波が大きく揺れるのを金本監督はベンチから見つめるしかなかった。劇的に勝ち切れるような展開から、一気に暗転した九回。懸命の戦いを見せていた中での悲劇的なサヨナラ負けだ。

 「(ドリスで負ければ仕方ないかと問われ)そうですね、でも本当に、言う通り、ドリスで負けたらこっちはどうしようもない」

 落ち着いた口調で振り返ったものの、劇的な流れを思うとあまりに痛い結末だ。九回、福留の逆転2ランが生まれた直後のマウンドでドリスが崩れた。1死から野間に遊撃内野安打を許すと、暴投を挟んで続く安部には2ボール1ストライクからの4球目を、右中間席に運ばれる悪夢のサヨナラ弾を浴びた。

 ドリスは安部に初球を投じた際、右手の爪を気にするようなしぐさを見せていたが「ちょっと気になるところがあったから。(影響を問われて)それはない」と話すにとどめた。8月3日のマツダスタジアムでの対戦では、九回に3失点して同点に追い付かれていたが、その試合を上回る背信の結果となった。

 優勝を狙う上で、3連戦3連勝を目指して挑んだ一戦だったが、この痛恨の敗戦で広島とのゲーム差が7・5に広がった。優勝マジック「12」も再点灯。さらに苦しい展開となったが、諦めるつもりはない。前を向ける要素もあった。

 九回の福留の逆転弾はもちろん、シーソーゲームの中で、打線は12安打で7得点を記録。「何て言うのかな、選手はやることをやったと思うし、できることをやったと思うし」。打線としての反発力や勝利にかける執念は見えた。

 「また明日、やるしかないでしょう。最後まで、明日、あさってと勝てるようにやるだけです」と金本監督。悔やんでも、時間は戻ってくれない。重い敗戦を背負っても、前を向いて戦うしかない。3連勝を逃しても、まずは2戦目の勝利。切り替えて借りを返すしかない。

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