3番・大山、2安打3打点の大仕事 勝負強さ発揮だ

 「阪神4-3ヤクルト」(30日、甲子園球場)

 地鳴りのように沸き上がる甲子園。底知れぬ力を見た。穏やかそうな表情で、マウンド上の投手をじっと見つめる。ここぞという場面で打席に入るのは、22歳でクリーンアップに座る阪神の3番・大山だ。

 「とにかく必死でした。それがいい結果につながってよかった」。3打点の活躍に、虎党が酔いしれ、自身も満足げに振り返った。

 まずは初回だ。1死二塁。絶好の先制機を迎えると、見送ればボール、そんな外角のフォークに手を出した。「必死に食らいついた結果です」。体勢を崩されながらも左前に運び、二走・糸井が生還。先制点をもたらした。

 それだけでは終わらなかった。三回だ。2死二塁となって、今度は内角のシュートを捉えた。打球は中前へ。上本を貴重な追加点のホームへ迎え入れた。

 まだ止まらない。2-3と逆転を許した八回に、3四球で作った1死満塁のビッグチャンス。この局面で、きっちり犠飛を決め同点。延長戦へと持ち込み、劇的なフィナーレを呼び込んだ。

 29日には同じくルーキーの小野が、プロ初勝利を挙げた。ドラ1&ドラ2のコンビだ。これまで苦しい姿も見てきた。だからこそ、仲間の勝利への喜びはひとしおだった。それでも…。「(小野に)負けられないなという気持ちがあったので、今日はチームの勝利に貢献できてよかった」。共に切磋琢磨(せっさたくま)して、成長。そして同じ舞台で輝きを放った。

 「本当にルーキーとは思えないほどの対応力、スイングの速さ。大したものです」と褒めたたえるのは、金本監督だ。終わってみれば4得点のうち3得点がルーキーのバットから生まれた。3度響いた“大山コール”。深々と頭を下げる初々しい姿からは、想像もできないような存在感を見せつけている。

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