俊介、広陵パワー弾 V王手後輩に負けてられん!攻守でハッスル!
「ヤクルト5-4阪神」(22日、神宮球場)
オレも広陵OBだ!敗戦の中、阪神の俊介外野手(30)のプレーが光った。2-4の五回、一時は同点となる3号2ラン。中堅守備でもピンチを救う美技を見せた。夏の甲子園大会で決勝進出を決めた後輩の活躍に刺激を受けた30歳が攻守で躍動した。
三塁側スタンドから容赦なく罵声が飛ぶ。痛恨のサヨナラ敗戦。打って、守っての奮闘を称える声はない。勝負の世界。俊介は笑みなく、厳しい表情で帰路を急いだ。一時同点となる3号2ランに、2度の好守。勝利につながらなくとも、攻守で存在感を見せた。
2点ビハインドで迎えた五回。無死一塁で打席が巡った。見逃し、ファウル…。脳裏には1打席目の3球三振が浮かぶ。追い込まれてから低めのシンカー。2度失敗はしない。体勢を崩されながら、懸命にバットを振り抜いた。フルスイングした打球は弧を描き、左翼スタンドにゆっくりと消えた。
「初回、簡単に三振してしまった。悔いが残る。とにかく来た球を打とうと思った」
ヤクルト戦初本塁打で、プロ通算6号。過去5戦5勝の神話はストップしたが、思いを込めてグラウンドに立った。試合前、母校・広陵が甲子園で、天理を下して決勝に進出した。俊介は宿舎のテレビで観戦。後輩たちの躍動に刺激を受けていた。
「僕も励みになっています。持っているモノ以上は出ないので、とにかく楽しんでほしい。その先に優勝が見えてくると思うので」
センバツを制したチームで、1年夏からレギュラーをつかんだ。広島大会では4番も打った。「僕がこの中におっていいんか、って」。初めて聖地のグラウンドに立ち、震えた記憶がよみがえる。ひたむきに白球を追った3年間。深紅の大優勝旗に、王手をかけた後輩たちには負けられない。
「あそこは勝負を懸けた」。守備では五回、左中間フェンス付近の打球を好捕すると、同点の七回だ。2死一、二塁。中堅前に上がったリベロの飛球をダイビングキャッチ。勝ち越しを許さなかった。「また、気分を変えて。勝っていけるようにしたい」と俊介。勝利への執念は次につながる。気持ちはあの夏と同じく、一戦必勝だ。
関連ニュース





