中谷 場外弾で16安打10得点火付け! 3位DeNAと再び2差

 「DeNA5-10阪神」(6日、横浜スタジアム)

 横浜の夜を猛虎が熱くした。1-3の三回、中谷将大外野手(24)が左翼場外へ特大の同点8号2ラン。この一撃で打線に火が付くと、続く原口文仁捕手(25)が左翼席へ勝ち越しのソロ。2者連続アーチで逆転に成功すると、その後も得点を重ね、6月6日・オリックス戦(京セラ)以来今季5度目となる2桁得点。気持ちのいい快勝劇で蒸し暑さを吹き飛ばし、前半戦の勝ち越しを決めた。

 懐の直球しか待っていなかった。あえて中谷は自らの“弱点”にヤマを張った。相手球団にも内角の速いストレートが打てないと分析され、徹底的に攻められていたゾーン。ただ1点に集中し、飛び込んできたボールを振り抜いた打球は、横浜スタジアムの左翼場外へ消えていった。

 「狙ってました」。試合後、そう言い切った背番号60。場面は2点を追う三回、1死一塁からの第2打席。カウント2-1から飯塚が投じた140キロの内角直球を、完ぺきなダウンスイングではじき返した。

 強烈なスピンがかかった白球は、左翼から右翼へ吹く風にも負けなかった。失速することなく、左翼席最上段の広告を越えて場外へ消えていった。推定140メートル弾。「結果的にホームランになってよかったです」と確かな手応えを口にし、金本監督も中谷と、それに続いた原口の連弾に「何かモヤモヤしたものを吹き飛ばしてくれた連続ホームランでしたね」と満足そうな笑みを浮かべる。

 昨年からの課題だった内角直球。今季は打撃状態が上向くと、弱点を攻められスイングを狂わされた。調子の波が激しくなる中、中谷は糸口をつかもうと必死にもがいていた。

 試合前の打撃練習では直球に力負けしないよう、構えるバットの位置を高く置いた。タイミングの取り方も無駄を省いた。いつもケージ裏で見守る片岡打撃コーチが「本当にずっと試行錯誤してやっている」と努力の跡を証言。だからこそ「それが試合で出たことが大きい。すごく内容のあるホームラン」と称賛を惜しまない。

 この日、新外国人のロジャースが来日した。新助っ人が1軍に合流してくれば、厳しい立場に追い込まれることは中谷自身が誰よりも分かっている。だから必死にもがいた。弱点をなくそうと、内角直球だけを狙って場外まで持って行った。

 「苦しい立場に変わりはないので、一日、一日、慢心せずに頑張っていきたい」と力を込めた中谷。若虎が変化の兆しを見せた。そして結果を残した。その事実こそ、猛虎が再加速する確かなエネルギーになる。

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