岩貞復活星 三回以外は完全!!7回1安打1失点

 「交流戦、阪神4-2楽天」(16日、甲子園球場)

 完全復活への光が差し込んだ。阪神・岩貞祐太投手(25)が7回1安打1失点の好投で1カ月半ぶりの3勝目。交流戦の勝ち越しを決める勝利で、首位・広島との差を2に縮めた。貯金は今季最多タイの12。残り2試合も連勝を決め、リーグ戦再開に弾みをつける。

 本来の姿に戻りつつある。チームの優勝に欠かせない岩貞の“復活”。7回1安打1失点の好投で3勝目を手にした。「本当に太一さん(岡崎)が相手を分析してくれて、それ通りの配球を考えてくれた」。謙そんしつつ、女房役のリードに感謝した。

 課題だった立ち上がりから低めを丁寧に突いた。一、二回を三者凡退に仕留め、攻撃にリズムをつなげた。三回、ともにお立ち台に立った原口の先制2ラン後に一発を浴びて1点差に迫られたが動揺はない。威力のある球を投じ、相手を寄せ付けなかった。

 5月3日以来の白星。指揮官の言葉に左腕に対する期待の高さがうかがえる。「いいときの岩貞に比べたら、まだまだかなとは思うけど、万全ではない、絶好調までは言えないですけど、こうやって7回を1失点に抑えたのでナイスピッチングです」。昨季10勝を挙げた姿を見ている金本監督の目からすれば、本調子ではない。それでも調子が上向いてきた25歳に、希望は見えてきた。

 岩貞は「春先から、自分の去年の姿を描いてもうまくいかなかった」とスタイルチェンジに取り組んだという。それでも力を発揮することができず、5月20日にファームへ。悔しさをかみしめながらフォームの修正に努めた。体重移動、踏み出す足の位置など細かい部分を見直した。「上がってきてからは、理想に近いような投球はできてきていた」。再昇格後の3登板で全てクオリティースタート(6回以上自責点3以内)をマーク。2軍での“修業”は成果となって表れている。

 昨季終了後、岩貞を慕う横山は変貌ぶりに驚いたという。力の入れ具合、上からたたきつけるフォームなど「キャッチボールから違う」と。後輩左腕は“1軍の投手”となった先輩に驚いた。基本の練習をより大切に取り組む姿勢は今も変わらない。地道に努力を重ね、野球に向き合う姿は報われる。光り輝くマウンドで証明した。

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