秋山に金本監督「完璧」無援も気迫の自己最多11K…聖地に拍手

 「阪神0-1DeNA」(25日、甲子園球場)

 阪神が今季最少の3安打で、今季初の完封負けを喫した。打線の援護がなかった中、先発の秋山拓巳投手(25)が好投。初回に1点を失いながらも追加点は与えず、自己最多11奪三振で7回2/3を1失点。今季初黒星とはなったものの、金本知憲監督(49)は「完璧です」と称えた。

 無念の敗北にも、虎党からは大歓声が送られた。7回2/3を1失点。マウンドからベンチへと向かう秋山へのねぎらいの拍手が聖地を包む。今季初黒星を喫したが、プロ入り最多の11奪三振を奪うなど、圧巻の投球だった。

 唯一の失点は一回。先頭の桑原にバットを折りながらも中前へ運ばれた。犠打と進塁打で2死三塁とされ、打席には4番・筒香。強烈な打球が一塁を襲い、中谷のミットをはじいて失点を許した。右腕は「立ち上がりだけ」と悔やんだ。

 成長を感じさせたのはその後の投球。失点を引きずることなく切り替えて臨んだ。二回から七回まで無安打投球。この日は左打者に対して、武器であるシュートをほとんど使わず、直球で真っ向勝負した。許した安打は3本。追加点を許すことはなかった。

 「左(打者)が多かった中で、梅野がガラッと配球を変えてくれた。先に取られるのはよくないけど…。気持ちよく投げることができた。前と比べても、1点で抑えられたことは自信になる」

 敗戦にも、指揮官は右腕に最大級の賛辞を贈った。「完璧です」。先発投手陣で、開幕から4試合連続で6イニング以上を投げ切ったのは秋山だけ。制球が安定しており、緩急を使ってテンポよく投げ込む。信頼度は急上昇中だ。

 9日の巨人戦(甲子園)。ベンチ入りした秋山は相手先発・大竹寛の投球を食い入るように見つめた。翌日には香田投手コーチと振り返り、投球内容を確認。シュートを駆使して虎打線を封じ込める投球スタイルを目に焼き付けていた。「(広島の)九里にしても、大竹さんにしても、使い分けがうまい。まだ、あそこまでの精度はない」。敵でも盗める部分は盗む。それが自身のプラスになるなら-。理想を目の当たりにした右腕は、まだまだ成長を続けていく。

 高卒8年目でつかんだチャンスをものにしている。もう、このイスは誰にも渡さない。

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