鬼の金本監督、昨季Vチームに意地見せ執念の勝ち越し 猛抗議も

 「阪神2-1広島」(16日、甲子園球場)

 阪神が開幕カードのリベンジを果たした。八回に勝ち越し点を奪い、昨季の王者・広島に今季初のカード負け越しを食らわせた。金本知憲監督(49)はこの試合を「ポイントになる」とみて、執念の采配。八回には鬼の形相で判定に抗議するなど、熱く、激しく、勝利をもぎ取った。

 感情が放たれる。アウトに見えなかったから。この開幕13試合目の勝利にかけていたから。ベンチを飛び出し、スタンドも沸いた。試合後も「セーフでしょ」と語気を強めた抗議の場面。一塁塁審・芦原に鬼の形相で詰め寄ったのは、金本監督の執念の表れだった。

 「今日の試合というのは、僕の中ですごくポイントになる試合かなというふうに思ってたので良かったです」

 単なる1試合ではない。開幕カードで負け越し、昨年7勝18敗のリーグ王者との対戦。同じように負けられない。思いは実る。自ら動き、均衡を破った。

 「去年の優勝チームとやる上で今日負け越すと、向こうは御の字の2勝1敗だろうけど、こっちはそうはいかんぞという姿勢というか。そういう意味で僕は、オーバーだけど、今日の試合でチームがどうなるのかなというぐらい思ってました」

 八回だ。先頭の糸原の打球は二遊間を襲い、一塁にヘッドスライディング。セーフに見えたが判定はアウト。指揮官が怒りの抗議に出る。最後は中村外野守備走塁コーチに間に入られる形でわずかに言葉を発して下がったが、気持ちは選手に伝わった。熱くなっても、冷静に燃えていた。

 続く高山には中堅から逆方向を狙うようにアドバイスすると中前打で応えてくれた。さらに高山には2死一塁での福留の2ボール1ストライクからの4球目で「勝負です」とスタートを切らせて二盗に成功。「よく走ってくれたしあれで孝介が『歩かし』になって」。執念が原口の決勝打につながった。

 勝負手はこれだけではない。九里の対右打者の被打率が・074であり、「(広島は)左の中継ぎがいませんし」と初めて糸原と高山を1、2番で起用。さらに広島の六回の攻撃が鈴木から右打者が続くため「僕は迷いなく」と能見を降板させた継投策も的中だ。

 首位・広島に今季初の負け越しを食らわせた金本阪神。「今日負けるようではね、去年と同じかなという」。昨年の悔しさは忘れていない。甲子園で示された確かな変革。この道を信じて進めばいい。歓喜の六甲おろしに、自信が深まった。

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