糸井がやったる!55年ぶり両リーグ盗塁王「ハッピーやからね」

 「NPBアワーズ2016」(28日、グランドプリンスホテル新高輪)

 オリックスからFA移籍した阪神・糸井嘉男外野手(35)が28日、「NPB AWARDS 2016」に出席した。53盗塁で盗塁王を獲得した今季。来季、盗塁王に輝き、両リーグでの受賞となれば、55年ぶりの記録となる。目標数こそ明かさなかったものの、チームの勝利のために盗塁を積み重ねる意気込みだ。

 35歳での初受賞に、糸井は自然と笑みを浮かべた。「ここに立つのは目標なので、いいですね」。球界を代表する選手らと登壇し、最年長受賞となる盗塁王のタイトルが輝く。もちろん、まだ満足はしていない。阪神でも、貪欲に次の塁を狙うスタイルは変わらない。

 「次の塁をどんどん狙っていくのが、チームにとっても大事なことなので」

 栄えある場に呼ばれ、改めてかみしめたのが盗塁の重要性だ。金本監督も今季53盗塁の糸井に対し、既に最低ラインとして「40盗塁指令」を出している。阪神加入に伴い、初のセ・リーグ挑戦となるが、期待に応える準備を整えるだけだ。

 「(相手バッテリーも変わるが)その分また鍛えて、走って、自主トレします」と糸井。対戦相手も変わる中で、いかに数字を残していくか。そのために意識するのは、体を鍛えることだけではない。相手の癖の研究に関しては「それはそれなりに。やっぱり洞察力です(笑)」と笑顔。しっかりと頭も使って対応していく。

 仮に来季、盗塁王に輝けば、阪急と中日で盗塁王を獲得した河野旭輝以来、55年ぶりの両リーグでの盗塁王となる。そこに関しては「それは簡単なものではない。一試合一試合しっかりやっていけばいい」と慎重な姿勢を見せた。何より目指すのはチームの勝利。そのために走り、その積み重ねがタイトルにつながれば十分だ。

 狙う盗塁数は「今年結構走ったので、何個とかは…」と明言しなかったが、入団会見ではキャリアハイを目指すことを目標として宣言済み。それを達成して、再びこの場に帰ってくる。「もちろん来たいと思います。ハッピーやからね」。来年は阪神の一員として、新たな挑戦となるシーズンを駆け抜ける。

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