糸井、阪神入団なら経済効果49億円 関西大・宮本名誉教授が試算

阪神とのFA初交渉を終え、心境を語る糸井
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 オリックスからFA宣言した糸井嘉男外野手が11日、大阪市内のホテルで、阪神球団と初交渉を行った。関西大学の宮本勝浩名誉教授は、糸井が阪神に入団した場合、1年間の関西地域での経済効果が49億2652万円に達すると試算した。

 宮本名誉教授は「糸井が阪神に入団して活躍し、少なくともチームが8月末までは優勝争いに加わっている」という条件の下に試算。まずは阪神ファンがタイガースへ直接的に消費する金額を「直接効果」として、6項目に分けて説明する。

 (1)は観客増加による消費の直接効果で、22億9958万円の増加と算定。今季までの5年間(2012~16年)の平均観客数は約279万人。糸井の人気により、阪神の観客動員数が多かった05~09年の平均308万人と同じ水準に達すると仮定し、約29万人の増加が期待できるとした。入場料や飲食費、グッズ代などで、1人当たり1日約8000円使ったと仮定し、約23億円の増加が見込めるという。

 (2)は春季キャンプの直接効果。糸井の入団により、観客、報道陣を合わせて約2割、1100人が増加すると仮定し、約1億7000円の消費増を見込んだ。

 (3)はオープン戦の直接効果で、観客動員増により、約1億円の消費増と予測。(4)は糸井のグッズの直接効果で、グッズの売り上げを約3億円と推定。(5)は放映権、広告収入などの直接効果で、約1億円の増加と想定する。(6)は糸井の阪神入団までの諸経費と契約金、年俸の直接効果。複数年契約を結ぶことが想定されるが、1年目の契約金と年俸を合わせて6億円と仮定。これら直接効果を合計すると、約36億円となるという。

 さらに直接効果に加えて、「経済波及効果」が見込まれるという。一次波及効果と二次波及効果がある。例えば、観戦に来たファンがレストランで食事をした場合は直接効果となるが、これによってレストランへ食事の原材料を納入する業者の売り上げが増えることが一次波及効果となる。その経営者や従業員の所得が増え、その所得によって新たな消費が見込まれるのが二次波及効果にあたる。

 これら全ての経済効果を合算すると、糸井が阪神に入団したときの初年度の大阪、兵庫、京都などの近畿地域の経済効果が49億円余りになるとしている。

 ちなみに宮本名誉教授は昨年、阪神・金本監督就任の経済効果を42億円と予測した。これも阪神がシーズン終盤まで優勝争いをするという条件の下算出したもので、宮本名誉教授は「夏前から阪神は失速し低迷したので、とてもこの金額には届いていないと考えられる」と分析。

 糸井の経済効果が金本監督を上回ることについて「年俸と契約金が糸井選手の方が、監督としての金本監督よりもはるかに大きいから」と説明しつつ、「阪神がFAで糸井選手を獲得し、2017年はシーズン当初から優勝をばく進してくれることを期待したい」と話した。

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