遼馬に先発案浮上 セットアッパー期待も新たな道筋「どっちも準備する」

 「阪神秋季キャンプ」(6日、安芸)

 阪神・松田遼馬投手(22)の1軍での“先発転向案”が浮上した。来季の成長次第で香田投手コーチが「(可能性は)なくはない」と説明。南国・土佐から松田に新たな道筋が示された。

 これまでにない自分の力を試したい。セットアッパーとして「勝利の方程式」入りも期待される右腕。あくまで現段階での方針はリリーフ起用。だが、同時に1軍での先発経験がない松田にスターターとしての転向案が持ち上がった。

 まずは“先発修業”の場が設けられる。香田投手コーチは、松田を来季2軍戦で先発させ「良くなってくれば可能性も広がってくる」と期待。長い回を投げさせることでスタミナ強化や打者との駆け引きを培わせたい考え。その上で、内容次第で先発に抜てきさせることもありそうだ。

 香田投手コーチの言葉を伝え聞いた松田の表情が引き締まる。「ファームでも先発をやらしてもらっていたので。(リリーフと)どっちもできるように。自分の課題を直していきながら、どっちでもできるように準備していきたい」。発した言葉に自然と力がこもった。

 胸中にあるのは雪辱への思いだ。「(今年は)チームに貢献できていないので」。今季2軍戦では6試合に先発して1勝3敗。1軍では20試合に登板して防御率1・00と抜群の安定感を披露したが、自分の中では満足できる域に達していない。

 流した汗を必ず肥やしにする。この日は、他の投手陣と強化ランニングをこなしたほか、ブルペンで95球を投じ投球感覚を確認。「どっちも難しい場所なのでしっかり練習していきたい」。右腕を振る理由は一つ。先発でもリリーフでもチームの勝利のため、己を磨き上げていく。

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