金本監督「見返す」最終戦後ファンの前で決意表明 福原&藤井氏入閣で新改革へ

 「阪神6-0巨人」(1日、甲子園球場)

 金本阪神が今季初の7連勝を飾り、4位で初年度のシーズンを終えた。ファンを前にしたセレモニーで金本知憲監督(48)は4年ぶりBクラスの低迷を謝罪し、来季に向けて「見返す」と力強く言い切った。この日、引退試合を行った福原忍投手(39)、今季BCリーグ福井にコーチ派遣された藤井彰人氏(40)に入閣を要請するなど、新体制作りも着々と進む。虎よ来季こそ、頂点をつかめ-。

 金本監督は志願してマイクの前に立ち、満員スタンドへ、声高に雪辱を誓った。

 「今シーズンは私の監督としての力が足りず、チームの低迷を招いてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。チームが低迷したにもかかわらず、最後まで甲子園球場に足を運んでくださったファンの皆さま、心より感謝申し上げます。この秋から若手、中堅と、さらに鍛え上げて、来年は巻き返す年、見返す年にしたいと思います。今年1年間、本当にご声援ありがとうございました」

 今季ラストゲームは岩貞が10勝を決め、まな弟子の北條が猛打賞。シンデレラボーイ原口が4番に座り、秘蔵っ子板山が好走塁。最後は高卒新人の望月を初登板させ、巨人を完封して7連勝フィニッシュを決めた。超変革のうねり、来季上昇への予兆を感じ取った猛虎党から大歓声と拍手で見送られた。

 それでも、首位広島と24・5ゲーム離され、4年ぶりBクラスの4位に沈んだ責任を感じ、そこから背を向けることなく、頭を下げた。143試合を戦い、64勝76敗3分けで借金12。2ケタ負債の要因は一つや二つじゃない。鳥谷、ゴメスら主力の不振、先発4本柱と期待した投手陣の低迷も想定外だった。マートン、呉昇桓という大戦力を失い臨んだシーズン。若手重用と見られがちだったが、常々「これがベストオーダー」とも強調。実績のない選手を起用せざるをえない側面も多かった。

 スタメンを固定したほうがいい。阪神OBら周辺からはそんな声も届いていた。頭を悩ませるなかで、開幕から最終戦まで組んだ先発オーダーは実に125通り。球団史上、類を見ない数字に苦心の跡がにじんでいる。

 「正直、しんどかったし、思いも寄らぬ予測不可能な出来事もいっぱいあったし…。まさか、まさかの連続だった」

 機動力野球を理想に掲げたが、打率、盗塁数はいずれもリーグ最下位。失策数97は覇者広島より30も多く、これもセ界最多だった。

 「結果は全部僕の責任ですから。(見返す気持ちは)選手が一番持ってほしいし、僕もある。僕自身がそういう気持ちじゃないと、選手もそういう気持ちになれない…」

 17年シーズンへ向け、宿題は多い。生え抜きを鍛え、1軍戦力に押し上げる理念は不動。その上で金本監督をバックアップする球団フロントは新体制の整備を進めている。現役引退の福原を2軍投手コーチへ、今季BCリーグ福井にコーチ派遣されていた藤井氏を育成コーチに招くなど、組閣固めに着手。シーズンの検証次第では1軍内閣のてこ入れも視野に、強固な金本政権の構築を目指していく。

 ドラフト戦略では桜美林大・佐々木の1位指名を決定。FA補強にも本腰を入れ、指揮官の意に沿う形でこの日までに本社のゴーサインを得たことも判明した。新外国人の選定はFA補強次第で変動するが、米国市場を中心に厳選段階に入った。「時間に甘えない」。そう語る金本監督を虎の船頭に既に雪辱への号砲は鳴っている。

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