北條 奮闘マルチで3出塁 リオ金・土性が前日ナマ観戦…パワー授かった?
「中日1-0阪神」(31日、ナゴヤドーム)
ただどん欲に、阪神・北條史也内野手は結果を求めてバットを振った。8月27日・ヤクルト戦(甲子園)以来、3試合ぶりのマルチ安打は成長の証しだ。V逸に直面しても、やるべきことは変わらない。レギュラーへの道をひた走る4年目の若虎が、希望の光となる。
多彩な変化球でかわす中日・吉見の真っすぐを狙い打ちだ。初回1死は、外角球を目いっぱいバットを伸ばして右前へとはじき返した。四回の先頭では、甘く入ってきたボールを逃さずに中前打。敗戦に沈む試合後、確かな手応えを口にした。
「狙い球を絞って、思い切りいけているところがいいと思う」
今春2月のキャンプでは「大根切り」で打撃力向上を図った。打撃投手に高めのボールを要求し、ひたすら上からたたく練習を繰り返した。目的は、右方向への打球が切れてファウルにならないようにするため。この日の初回のヒットは、目指している形の一つだ。
前日の中日戦では、リオ五輪レスリング女子69キロ級で金メダルを獲得した土性がナゴヤドームで生観戦。ファンを公言する同級生の金メダリストが「北條史也」のタオルを掲げ、応援してくれていた。
ここまで出場103試合で打率・270。周囲の期待を一身に受けながら、「超変革」の申し子がまた一歩定位置奪取へ近づいた。