金本監督、野手陣に苦言 このままでは「何十年やっても変わらない」

 「広島7-0阪神」(23日、マツダスタジアム)

 指揮官の言葉に怒気がこもった。今季2度目の5連敗。阪神・金本知憲監督(48)は、広島・黒田博樹投手(41)に日米通算200勝を献上した野手陣に対し、このままなら「何十年やってもチームは変わらない」と苦言を呈した。今季ワーストの借金15で、3カ月連続の負け越しが決定。1988年以来、28年ぶりの広島戦9連敗で、このカードの負け越しも決まった。虎よ、意地を見せてくれ。

 黒田のメモリアルを好演出する拙攻で、見せ場すらつくれなかった。200勝右腕に9三振を喫し、7回無得点。初回の得点機にゴメスはシュートでバットをへし折られ、遊ゴロ。四回、六回の好機では鳥谷がともに見逃し三振で、鯉党のボルテージをアシストする結果に終わった。

 岩崎が立ち上がり2四球からルナに先制3ランを浴びると、初回とは思えない重苦しい雰囲気が漂う。これが連敗中の最下位チームを覆う負のスパイラルなのか。反発力は乏しく、9イニングで12三振。うち4つは見逃し三振という惨状に片岡打撃コーチは「鳥谷に限らずチャンスで見逃し三振は…。バットを振らないと何も起こらないよ」と嘆いた。

 首位独走の広島に歯が立たず、同一チーム9連敗。借金は今季ワーストの15まで膨らんだ。この状況下、試合で一度流れを失えば、奪い返すには相当なパワーを要する。金本監督は就任当初から選手に求め続けていることをこの夜も反復した。

 「果たしてどうだろう。打席の姿を見ていたら、選手は悔しいと思っているのかな…と。覇気だとか、向かっていく姿勢だとか、本当に伝わってくるものがないように思う。もちろん、ある選手もいるけれど…」

 既に自力優勝が消滅し、現実的に3位以内、CSを見据える立場に追い込まれたが、その最低限の目標でさえ暗雲が立ちこめる。過去のCS進出チームで最大で借金15を抱えたのは11年の西武のみ。すなわち、プレーオフ出場にも限りなく赤に近い黄ランプが点灯したことになる。

 昨秋の就任会見で指揮官は「もし執念がない選手がいるなら、植え付けないといけない」と言った。同じチームに負け続けるふがいなさを反抗心に変え、虎全体が逆襲への気概、執念を共有できるかどうか。

 「こういう展開でも何とかしよう、食らいついていこうという姿勢が出てこないようなら、何十年やってもこのチームは変わらないと思う。それを出す努力はしているけれど、結局やるのは選手だから。腹の底から悔しいと思っているかどうか…」

 試合前、広島時代のヘッドコーチ、大下剛氏と対面し、鳥谷と3人で談笑した。かつて鬼軍曹と呼ばれた同氏との対話内容は明かさなかったが、叱咤(しった)激励を受けたのは間違いなさそうだ。時代が変われば選手の気質も変わる。それでも、普遍の負けん気を金本監督は植え付けようとしている。その強い口調に執念がのぞく。

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