青柳“小林繁魂”G戦初登板初先発で7回1安打0封、自力V消滅危機救った!

 「巨人0-6阪神」(7日、東京ドーム)

 七夕の夜、孝行息子が虎党の願いをかなえた。巨人戦プロ初登板初先発の阪神ドラフト5位・青柳晃洋投手(22)=帝京大=が7回1安打無失点の好投で2勝目。自力優勝消滅の危機を救い、最下位脱出に貢献。かつて巨人キラーとして名をはせた小林繁をほうふつとさせる変則右腕が、猛虎の未来を明るく照らした。

 七夕の夜に、青柳が願いをかなえた。プロ初の巨人戦登板で、7回1安打無失点の快投。プロ最多114球の熱投で得た今季2勝目は、憧れの小林繁氏へと近づく大きな一歩だ。

 「一回だけだとたまたまかもしれないので、これを積み重ねられるようにしたいです。『巨人キラー』と呼ばれるように、やっていきたいと思います」

 巨人と阪神で通算139勝を挙げた右腕が、青柳にとって憧れだった。昨年のドラフト指名あいさつの時は「小林さんのようになりたいです」と真剣な表情で語っていた。この日に見せた打者の胸元を突く強気の投球は、闘志あふれる往年の小林氏と重なる。オレンジが揺れる敵地で、堂々と立ちはだかった。

 「野手のみなさんがたくさん点を取ってくれたので、走者を出してしまった場面でも『まだ点差はある』と思って、気持ちを楽にして投げることができました。野手のみなさんのおかげです」

 課題の四球は4つと反省は残るが、持ち味のツーシームを中心にG打線を抑え込んだ。二回1死から村田に右前打を打たれたが、許したヒットはこれが最後。七回を3人で斬り三塁ベンチへ戻ると、金本監督が近寄ってきた。「スタミナついたな!」。予想以上の好投に、指揮官の顔にも笑みがあふれていた。

 「横に岩貞がいたので『岩貞よりもスタミナついたな』と言うと、岩貞は『異議あり!』みたいな顔をしていましたけど…(笑)」

 シーズン前半を過ごした鳴尾浜では、先輩を質問攻めにした。岩田には自ら「キャッチボールをしてもらえませんか」と誘い、球筋を肌で感じた。プロ21年目の鶴岡にも、自身の投球フォームのことなどでアドバイスを求めた。「インステップすると腰の回転をうまく使えないので。そこだと思いますね」。答えを見つけ、手応えをつかんでいった。

 「阪神-巨人戦はテレビでもずっと見ていました。そこで投げられたということは、大きかったと思います」

 自力V消滅の危機を救い、チームはヤクルトと入れ替わりで5位に浮上した。小林氏と同じように、宿敵・巨人をねじ伏せた。6月1日・楽天戦以来の2勝目に、金本監督は「次も同じくらいやってくれれば楽しみな投手」と期待する。未来への希望が生まれた。

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