中谷プロ初4安打 激高の二回円陣に応えた!借金「10」も虎に活路

 「巨人3-1阪神」(6日、東京ドーム)

 将の猛ゲキに応えた。序盤の二回に円陣を組み、阪神・金本知憲監督(48)が選手に奮起を促した一戦。逆転負けを喫したが、中谷将大外野手(23)が自身初の4安打と気を吐いた。3連敗で、2012年以来となる今季ワーストの借金10。7日も敗れれば、自力優勝の可能性が消滅する。指揮官は今こそ、強い気持ちをナインに求めている。

 あっけなく3人で終わった初回の攻撃を受け、三塁ベンチでは二回の攻撃前に円陣が組まれた。金本監督の猛ゲキを全身に感じた中谷は、二回2死一塁で打席へ。田口の高め直球をフルスイングし、チーム初安打を中前へ運んだ。「自分は一打席、一打席なので」。敗戦の中に光るプロ初の4安打固め打ち。必死な気持ちが、結果となって現れる。

 四回無死二塁では、変化球に詰まりながらも左前へ落とした。六回1死では再び左前打。八回1死二塁では右前へはじき返した。片岡打撃コーチは「自信にしていかないといけない」と奮起を促す。金本監督も、今後の成長に期待している。

 「中谷も江越(2本の二塁打)も、自分たちは若いという気持ちを逆に持たないようにしてほしい。どのように集中力が出て、結果に結びついたかを大事にしないと長続きしないし、そのうちチャンスはなくなるということを自覚してほしい」

 今季は1軍キャンプスタートで飛躍が期待されたが、オープン戦が始まると2軍へ降格。昨年はウエスタンで打率・290と結果を残し、勝負の6年目と位置づけて臨んだシーズンだったが思うようにいかず、次第に元気もなくなっていった。

 掛布2軍監督も「楽しそうにやってないよね」と心配するほどだった。しかし、4月に行った鳴尾浜での残留練習で変革は起きる。始動を早めるなど打撃改造に取り組み、本来のフルスイングが復活。そんな姿を、優しく見守っている人がいた。昨年2軍打撃コーチを務めていた、浜中打撃コーチだ。

 「いい感じで練習でも振れているので、こういうヒットを自信につなげてほしい。中谷自身もつかみつつあると思うし、このまま一気にいってほしいね」

 昨年の鳴尾浜で、背番号60の横にはいつも浜中コーチの姿があった。「変化球はうまく打つんだけど速い真っすぐには差し込まれる」と、直球に負けないよう右手で押し込むスイングを徹底させ、寄り添った。1軍の舞台で戦う今も同じように、二人三脚で打撃力向上に取り組んでいる。

 チームは今季5度目の3連敗で、借金は2桁の10。広島が中日に敗れたため自力優勝の可能性は残ったが、最下位という現実は重たくのしかかったままだ。

 「チームの勝利に貢献したいです」。試合終了後すぐベンチ裏へ行き、江越、上本らと30分間バットを振り込んだ。人生初の東京ドームで奏でた4本のヒットが、未来へのかすかな希望。笑顔なき中谷の心の中は、向上心で満ちあふれている。

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