金本監督 中谷、高山に鉄人イズム注入

 阪神・金本知憲監督(48)が29日、中谷将大外野手(23)と高山俊外野手(23)に対して「鉄人イズム注入」の密着指導を行った。この日は予定されていたDeNA戦が降雨中止。そのため、通常の打撃練習後に一塁ベンチ裏で約50分、指揮官が重視する「素振り」に徹底的に取り組ませた。

 雨が降って響いたのは、叩きつけるような雨粒の音だけじゃない。通常の打撃練習後の一塁ベンチ裏。空を切る素振りの音が何度もこだまする。金本監督の熱気が充満し、中谷と高山の汗が流れ落ちる。濃密な時間は約50分。鉄人イズム注入の打撃指導となった。

 「本当は毎日できればいいけど、今は体がバリバリなはずだから。気持ち良くマシンを30分打つよりはスイングの方が体が張る。バリバリ張るんだから。背中や内転筋や太ももやら。ということは(これまで)楽に振ってる証拠だから、そこは覚えてほしい」

 15時45分に発表されたDeNA戦の降雨中止。だったら早く引き揚げて…という考えはなかった。より練習時間を確保できる機会。室内での打撃練習後、中谷と高山と一塁ベンチ裏に向かい、バットを振らせた。明確な考えがそこにある。

 「形を作るにはやっぱり素振りしないと。チェックしながら。絶対無理だから、マシンではなかなかね。素振りしたことをマシンで試す、練習で試すと。それが僕はベターだと思ってるし」

 現役時代から、マシン打撃より素振りを重視していた。ナイター後、その一塁ベンチ裏にこもって素振りに取り組むことも何度もあった。歴代10位の通算476本塁打の土台。それを「強化指定選手」の中谷と高山に密着指導で伝えたわけだ。

 「今は中谷と高山をピックアップして。全体(練習で)となるとなかなかあれだから、集中して。しばらくはやっていこうかなと」と金本監督。練習後の一塁ベンチ裏だけでなく、この日は練習前の早出でも指導を行い、さらに休日だった月曜日にも極秘で練習に付き合ったという。

 高山は「(内容は)いろいろ」と話し、中谷は「素振りを見てもらいました。いろいろ教えてもらってありがたいです」と充実した表情を見せた。連敗を止めた白星から一夜、降雨中止も恨めしくはない。試合はなくても、若虎の育成に全力を注いだ一日。地道な汗は次の勝利につながると信じて突き進む。

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